香港デイリー 2/25
ハンセン指数▲0.59% 2日続落
25日の香港市場~グローバル株高も、香港市場の上値は重い展開
ハンセン指数 22,767.18 pt (▲0.59%)
中国本土株指数 7,991.64 pt (▲0.49%)
レッドチップ指数 4,168.02pt (▲0.80%)
売買代金 1,426億9,970万HK$(前日1,769億5,660万HK$)
25日の香港市場は前日付近でもみ合い、依然グローバルリスクから主要指数は上値が重い展開が続く。前日のNY市場は一時800ドル安もダウ工業株30種平均は取引終了前にプラスに転じ終値は92ドル高。ナスダック総合株価指数も一時下落率が3%を超えたが、最終的には3.3%高で取引を終えた。資源価格の一段の高騰がインフレ長期化懸念を誘っている。ブレント原油先物は 一時105ドル台まで上昇、インフレの加速や欧州の景気悪化に伴う米国の輸出の鈍化が米経済の下振れリスクを高め、急激な金融引き締めへの警戒感がやや和らいだ面も買いを誘った。
グローバルリスクの緊張は続くもの、24日の株式取引は冷静さを取り戻している。前日50%強下落したロシアを代表するRTS Index は大幅上昇、取引時間で25%近く上昇している。引き続き主要国はロシアに対して金融機関の制裁措置を実行するなど、外交的手段を取って事態の収束へ舵を取っている。依然、緊張ムードは高いが冷静さを取り戻したというところだ。
各国の24日株式指数の日中安値と前営業日比下落率
25日香港市場はグローバル全体での株高とは裏腹にマイナス圏で取引を終了。原油セクターをはじめ、不動産デベロッパーが大幅安、そのほか金融、カジノ関連も売られた。ペトロチャイナ(857.HK)が▲3.8%、中国海洋石油(883.HK)▲3.2%。中銀香港(2388.HK)▲2.6%安、HSBC(5.HK)▲2.5%。主要指数が下落する一方、ハンセンテック指数は反発+0.84%、前日再び最安値を更新した後から持ち直した。動画配信のビリビリ(9626.HK)+5.1%、ヘルスケアのリババ・ヘルス・インフォメーション・テクノロジー(241.HK)+4.9%など前日大幅安となった銘柄が買われた。
個別銘柄
ALI HEALTH | 阿里健康 | 0241.HK | 4.92% | 医療サービス |
XINYI SOLAR | 信義光能 | 0968.HK | 4.42% | 太陽光発電設備セクター |
TECHTRONIC IND | 創科実業 | 0669.HK | 2.90% | 電動工具メーカー |
CNOOC | 中国海洋石油(CNOOC) | 0883.HK | ▲6.12% | 石油関連 |
CHINA RES LAND | 華潤置地 | 1109.HK | ▲6.44% | 中国政府系デベロッパー |
PETROCHINA | ペトロチャイナ | 0857.HK | ▲6.67% | 石油関連 |
中国本土指数は上昇、3451.41ptの0.6%高で取引を終了した。中国では来週末の3月5日、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が開幕する。景気テコ入れに向け、各種方針が打ち出される見通しだ。
香港 初SPAC上場を承認
Aquila Acquisition Corp. は24日、香港で初めてのSPACでの上場承認を得たと発表した。資金サイズはUS$300 million(約330億円相当)、今年上場した香港市場の中では今年2番となるサイズの大きさだ。香港取引所は今年1月1日からSPAC上場を解禁しており、アジアでもSPACを通しての上場には注目が集まっている。直近では1月シンガポール取引所(SGX)で、バーテックス・テクノロジー・アクイシジョン・コーポレーションが2億シンガポールドル(約160億円)の資金供給を行った。今後より一層、市場では香港取引所の動きが中国企業のM&A(合併・買収)を促進するほか、規制の厳しくなった米国からの回帰上場を促すとの観測が強いと見ている。
香港においては低バリュエーションが続き上場件数は今年6件に留まっている。より短期間で株式上場を実現できる仕組みは通常のIPO以外の手段を提供し、中華圏や東南アジアなど世界各国の企業の香港市場への誘致を強化できると見られる。