ハンセン指数はパンデミック来の安値へ、ロシア通貨ルーブル危機到来

香港デイリー 2/28
ハンセン指数▲0.24% 3日続落

28日の香港市場~ロシア・ウクライナ情勢に加え、コロナ感染パニックが続く香港

ハンセン指数 22,713.02 pt (▲0.24%)
中国本土株指数 8,023.93 pt (+0.40%)
レッドチップ指数 4,208.99 pt (+0.98%)

売買代金 1,534億7,900万HK$(前日1,426億9,970万HK$)

ハンセン指数(HSI INDEX)

28日の香港市場は3日続落。ロシア、ウクライナ情勢から世界全体、緊張状態はなお続く。週末、日本を含め西欧諸国はロシアをSWIFTから除外の決定。ロシア通貨ルーブルは大暴落し、ドル/ルーブルは一時▲40%、1USD = 117.87RUBをつけ1998年来最大の下落率となった(現時点は1USD = 100RUB台推移)。原油先物は上昇、ブレント先物は再び105ドル台まで急反発。モスクワ市場は一時売買停止を決定、また海外投資家のロシア有価証券の売買禁止を発表するなど週明けのロシア市場は大波乱となった。
ロシアのウクライナ侵攻を巡り、両国の代表団は28日、初の対話に臨む(日本時間18時開始予定)。ウクライナのゼレンスキー大統領はすでに”会談に大きな期待はしていない”と発言しているため具体的な成果につながるかは見通せない。一方、ロシア陣営の交渉担当官はできる限り早期の合意を強く望む(eager to reach deal)と表明しており、早期の事態収束の糸口につながるか注目だ。

USD/RUBは対ドルで大幅下落、モスクワ市場は全取引を停止
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ブレント原油先物は大幅上昇

ロシア中銀は異例の政策金利を20%と従来の9.5%から2倍に引き上げると28日に発表。ウクライナ侵攻による米欧の経済制裁で通貨ルーブルは急落し、2通貨安に伴うインフレ加速に歯止めをかけるため利上げに踏み切った。

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ロシア政策金利の動向

ハンセン指数は3日続落。市場警戒がなお高くハンセン指数は2020年3月以来の下値水準、パンデミック以来の安値となった。新規感染者が増え続ける香港は経済再開懸念が非常に厳しく、前日の新規感染者は26,026人と発表。連日の過去最多更新も不安視され、指数全体上値が重い展開が続く。構成銘柄では民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175.HK)▲4.88%、小型電子部品メーカー大手の瑞声科技HD(2018.HK)▲3.82%。セクターでは、カジノやエアラインなどレジャー関連が安く、カジノ銘柄で銀河娯楽集団(027.HK)▲4.4%、サンズ・チャイナ(1928.HK)▲3.76%。銀行・不動産セクターも下落。一方、決算を発表し増益となったNTES-S (9999.HK)が+4.23%大幅上昇。石油、食料品、海運株といった銘柄は反発した。

ハンセン指数はパンデミック来の水準へ

個別株

NTES-S網易9999.HK4.23%オンラインゲーム
MENGNIU DAIRY中国蒙牛乳業2319.HK3.57%飲料メーカー
CHINA RES LAND華潤置地1109.HK3.26%中国政府系デベロッパー
     
GALAXY ENT銀河娯楽0027.HK▲4.40%カジノ
GEELY AUTO吉利汽車0175.HK▲4.88%民間自動車メーカー
SINO BIOPHARM中国生物製薬1177.HK▲5.14%バイオファーマー

本土マーケットは反発、上海総合指数は0.3%高で続伸、3462.31pt。中国では週末の3月5日、全国人民代表大会が開幕する。景気テコ入れに向け、各種方針が打ち出される見通しと先週から下値がしっかりな相場が続く。

香港🇭🇰IPO情報

FWD Group Holdings Ltdが香港取引所に上場の準備をしていることが関係者から分かった。早くて本日月曜日の引け後に発表するとのことだ。同社は香港に本社を置く保険総合会社、評価額は約US$9B相当だ。昨年は米中の規制のため一旦NY市場へUS$3B相当のIPOを検討していたが中止、香港上場を検討していた。今回はUS$1B(約1.100億相当)のオファリングサイズを検討している。
香港市場は今年に入り低バリュエーションのマーケットがIPO市場に逆風となり件数自体、非常に伸び悩む展開が続く。今回、同社が上場する場合、今年最大のオファリングサイズとなる見込みだ。ただ昨年からの規模を見るとオファリングサイズのペースは非常に遅い。昨年は米国の投資規制など年後半は香港IPOのペース、規模ともに縮小していったが昨年前半は非常に好ペースが続いていた。動画配信の快手(1024.HK)や通販サイトのJD Logistics (2618.HK)がトップに並ぶ。今年も同程度の規模を見込んでいたが地政学リスクや金融緩和縮小で世界の動向に株価が左右されている。中国企業回帰が言われている中、香港上場がより増えるとの見込みもあり今後の上場株の期待も高い模様、また香港初SPAC上場も先週、承認されたこともあり今後に注目したいところだ。

2021年 香港取引所における昨年上場銘柄

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