ドル円相場は、約40年ぶりの円安水準
外国為替市場で、ドル円は1ドル=162円台に迫る161円97銭まで上昇、1986年以来、約40年ぶりの円安水準を付けた。米ドルはユーロなどの主要通貨に対しては、小幅安となったものの、6月29日のニューヨーク時間の取引で1ドル+162円台に迫った。
米国経済の成長見通しや米FRBが利上げに転じるとの観測に加え、AIブームを背景とした米株高が米ドルの買い材料とされた、日本政府・日銀による為替介入(円買い介入)への警戒感は根強いが市場は介入姿勢を試すかのようなドル買いを続けている。
円高材料乏しく
米国経済は、エネルギー価格上昇の影響が懸念されてきたものの、比較的しっかりしており、雇用市場も、非農業部門雇用者数の増加割合が3カ月連続で市場予想を上回ったように、堅調である。このことがFRBの金融政策スタンスをタカ派に転換させる材料となっている。今週2日には雇用統計が発表されるが、雇用市場が加速するようだとハト派への転換は難しいだろう。そのため、FRBは16─17日に開いた連邦公開市場委員会で金利据え置きを決定したものの、ウォーシュ新議長の下で氏のタカ派色を強めるとの受け止め方が大勢を占めている。短期金融市場では年内の利上げ観測が浮上し、金利先物市場では今年9月までに利上げが行われる確率を6割程度織り込んでいる。
一方で、日本銀行は、6月の政策決定委員会で漸く0.25%幅での利上げを実施し、政策金利を1.00%に引き上げたが、米FRBが金融政策についてタカ派姿勢を維持するとの観測が強まっており、ドル金利が高止まる中では、米国との金利差は縮小に転じる見通しがなく、為替相場での円安圧力にはほとんど影響がない。為替介入という伝家の宝刀をいつ抜くのかとともに日本銀行の政策スタンスにも注目が集まろう。