ティッカーはSPCX
スペースX社株は、6月11日にナスダックで上場され、翌12日から取引開始となる。上場に先立ち5月20日に公開されたIPO申請と目論見書によると、上場時の想定時価総額は約2兆ドルで、初値の目安は120ドル台半ば。米証券取引委員会(SEC)への3日付の届け出によると、テキサス州スターベースに本拠を置く同社は、1株135ドルで約5億5560万株を売却する計画である。今回同社は、投資家からの需要を募る前に公募価格を決定した。これは、大規模な米国IPOではほとんど前例がない。米国では多くの株式公開企業が通常、投資家向け説明会で株式を売り込む前に想定価格帯を公表する。
この価格をベースとすると、発行済み株式数ベースの時価総額は約1.77兆ドルとなる。調達額は約750億ドルにも及び、これは2019年に上場したサウジアラムコIPOの約290億ドルを大幅に上回る、史上最大級のIPOである。スペースX社はIPOによる調達資金をAI事業やロケット打ち上げ事業、衛星インフラの拡大などに充てる。
同社株は、IPO前の未公開株市場で1株421〜526ドルで取引されていたが、先月実施された5対1の株式分割により、上場時の想定株価は約105.32ドルとなっていた。今回のIPOでは、個人投資家への割当比率が最大30%とされており、これまでアクセスできなかった一般個人投資家にも購入のチャンスがある。
成長への期待
スペースX社は、2002年設立の宇宙・通信・AI統合インフラ企業で、再利用可能ロケット「ファルコン9」事業に加え、衛星通信ネットワーク「スターリンク」事業やAIプラットフォーム「xAI/Grok」事業などを展開している。ロケット事業と衛星事業を手掛ける「宇宙」セクターであることと、AI事業も視野に入れており、これがマルティプル評価額を押し上げる要因となっている。
6月4日から同社は、正式に、IPOに向けた投資家向け説明活動を開始する。経営陣は投資家に対し、いわゆる宇宙軌道上での大規模なAIコンピューティングや、携帯電話への直接通信サービスの拡大、テスラとのAI半導体生産の増強、さらに将来的な月面基地や火星コロニーの建設に至るまで、スペースX社の壮大な事業計画を説明するという。計画は壮大だが、スペースXの目標と最近の業績をどう説明していくかは注目である。同社の昨年2025年の売上高は187億ドルだったが、損益は49.4億ドルの純損失だった。 また、2024年は売上高140億ドルに対して、純利益7.91億ドルだった。 年内には更に、OpenAIやアンソロピックの上場が計画されている。それぞれ100億ドルを超える規模のIPOとなる見通しで、AIに関連する投資に関心のある投資家の旺盛な需要が期待されている。
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