8月からの減少が拡大、今年最大の減少幅に
10月27日、中国国家統計局が発表した9月の工業部門企業利益は、前年同月比27.1%減と、8月に記録した同17.8%減から減少幅が拡大した。月間ベースでは、今年最大の落ち込みである。今年1⏇9月累積では前年同期比3.5%減で、1⏇8月累積の同0.5%増から減少に転じた。1⏇9月累計では、国有企業の利益が同6.5%、民間企業は同0.6%それぞれ減少する一方で、外資系企業は同1.5%増だった。工業部門利益統計では、主要事業の年間売上高が2000万元以上の規模の企業を対象としている。
統計局はコメントで、工業利益低迷の要因を、需要不足や生産者物価の一段の下落も認めながらも、比較対象となる前年の利益水準が高かったことによる統計のあやだとした。
先週発表された第3四半期の国内総生産(GDP)は前年比4.6%増で第2四半期の同4.7%増から減速、2023年初め以来の低い伸びにとどまった。前期比では0.9%増と伸び悩んでいる。第2四半期・改定値も同0.5%増だった。9月の鉱工業生産と小売売上高は事前予想を上回ったものの、不動産部門の低迷は、中国経済が計画通り成長するための足かせとなっている。
9月の若年層(16⏇24歳、学生を除く)失業率は3カ月ぶりに低下したものの、17.6%と依然高い水準である。若年層の失業率は、6月に13.2%だったが7月には17.1%に急上昇し、8月には18.8%に達していた。大学生を除いた25⏇29歳の失業率は6.7%で、30⏇59歳では3.9%だった。
中国政府は9月下旬に景気刺激策を相次いで打ち出した。景気立て直しに向けたコミットメントを打ち出すことには一応の評価がついてきているが、これらの景気刺激策が十分に効果を発揮するまでには、時間を要するだろう。