香港・中国市場Dairy ~追加経済対策の効果への期待が継続~中国・香港市場は大幅高
ハンセン指数 21,719.06 pt (+2.09 %)
中国本土株指数 7,629.06 pt (+2.02%)
レッドチップ指数 3,820.60 pt (+0.75%)
売買代金1,484億0百万HK$(前日1,205億6百万HK$)
24日の香港市場は、断続的な買いが続き、2日続けて上昇した。ハンセン指数は前日比2.09%高で取引を終えた。同指数は、先週は大幅に下落したものの、今週は反騰し、週間では3.06%上昇して、直近高値の22,000ptを試す展開にある。
香港市場はハンセンテック指数が大幅高となり前日比4.1%高で引けた。同指数は6月につけた高値を抜け約3ヶ月ぶりの水準に届く勢いで、構成銘柄は全面高となった。テクノロジー主要銘柄は上昇し、アリババ(9988)は同5%高、美団(3690)、テンセント(700)はそろって同2%強となった。
バイオテクノロジー株も上昇した。バイオ医薬品開発の信达生物(1801)は前日比12%高と週間で35%上昇。同社の食道扁平上皮癌に対する第一フェーズの新薬承認を得たと報じられたことが材料となった。そのほか薬明生物技術(2269)、百済神州(6160)は同10%強と上昇が目立った。中国生物製薬(1177)は同5%上昇した。
中国当局の強力な景気対策への期待が株式相場を押し上げる展開が続いている。今回は自動車消費を中心に消費テコ入れを目玉として、経済支援策を強化する方針を明確にしている。昨日も、BRICKs会議で習主席は、断固として経済成長目標は達成するとのコミットメントも表明しており、今後も景気拡大策を追加実施するとの予想も出ている。自動車関連株のラリーは、本日も続き小鵬汽車(9868)は前日比7%高、吉利汽車(0175)、理想汽車(2015)はそろって同6%高と軒並み上昇した。
人民銀行は資金供給を拡大し、緩和姿勢を鮮明に
24日、中国人民銀行は公開市場操作を行い、7日物リバースレポを実施し、一回のレポとしては過去3ヶ月間で最大規模となる600億元を供給した。週間の市中供給額はネットで500億元に達しており、このところ週間100億人民元にとどまっていた供給量を一気に拡大した。これまで、やや控えめだった人民銀行も緩和姿勢を鮮明にしており、積極的な金融緩和と持続的な政策支援が株価を下支えする動きになるか注目となるだろう。
中国本土株については上海総合指数が、前日比0.89%高の3349.75と続伸、CSI300も同1.17%高の4394.77で引けた。両指数は小高く寄り付き、序盤に上げ幅を広げ、終値ベースで3カ月半ぶりの高値を連日で更新した。
マカオでは再び行動制限の実施
中国本土のコロナ新規感染者指数は引き続き減少傾向が続いている。23日の中国本土における新規市中感染確認者数は18人と12日連続100人以下となった。無症状感染を含めても44人と9日連続で100人以下を維持しており、比較的落ち着いた動きが続いている。
一方、香港に隣接するマカオでは先週日曜日に約8ヶ月ぶりに市中感染者が発見され、昨日までに計149人の感染者が報告された。政府は全市民68万人に対し、不要不急の外出を控えるよう呼び掛け、飲食店をはじめ映画館などの外出禁止を実施した。ちなみに、カジノは対象とはなっていないのは場所柄だろう。広東省では、感染が大陸側に広がらないよう、マカオから入境する者に対して隔離措置を強化するなどしている。
7月1日の香港返還25周年を記念する式典を前に、香港でも感染者は拡大傾向にある。習近平国家主席が式典に出席するとの憶測も飛び交っている中、香港高官2人が新型コロナウイルスの感染を報じられ不透明感が漂っている。中国政府は今回の事態を「深く憂慮」しており、最高指導者への感染を防げるのかを不安視しているのかもしれない。このことが習主席の香港訪問・式典出席にどう影響するかは現時点では不明である。