中国人民銀行が連日の資金供給実施。中国・香港市場は3営業日続伸。

香港・中国市場Dairy ~ 中国人民銀行が連日の資金供給実施。中国・香港市場は3営業日続伸。

ハンセン指数 22,229.52 pt (+2.35 %)
中国本土株指数 7,816.94 pt (+2.46%)
レッドチップ指数 3,856.92 pt (+0.95%)

売買代金2,000億1百万HK$(前日1,484億0百万HK$)

ハンセン指数

週明けの香港市場は断続的な買いに支えられて3日続伸となった。ハンセン指数は前営業日比2.35%高で取引を終えた。同指数は4月半ば以来の水準まで回復し節目と見られていた22,000ptを上方にブレイク、3日間で6.7%上昇した。前週末に米国株式市場で大幅上昇した流れを引き継いで、アジア市場も上昇した。過度な金融引き締めへの警戒感も後退したほか、中国当局の景気対策の効果に期待感が高まっていることが、株式相場を押し上げている。

ハイテク株の比重が高いハンセンテック指数は前営業日比4.71%上昇し、3ヶ月ぶりの高値を回復した。スマートフォンの供給拡大が伝えられると、これが売上増加に繋がる材料として好感され、電子機器のBYDエレクトロニック(0285)が同15%高、スマートフォンの小米集団(1810)は同12%高、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382)は同10%高と上昇銘柄が目立った。ヘルスケア銘柄も買われ、オンライン医療の京東健康(6618)、阿里健康(0241)は揃って同10%上昇した。両社とも6月22日に実施された薬品管理法の改正により、医薬品販売の規制が強化されることが不安視され、先週は大幅安となったもの買い戻しが顕著だった。ほかにも、幅広く銘柄が物色され、香港証券取引所(0388)は同7% 高、Eコマースの京東集団(9618)は同6%高、アリババ(9988)は同3.5%近く上昇した。

一方で、インターネットサービス大手のテンセント(0700)は一時2%近く下落した。オランダの投資会社プロサスと南アフリカのメディア大手ナスパーズは自社株買いの資金を調達するため、テンセント株を段階的に売却する方針を示した。ナスパースはプロサスを通じてテンセント株を約27億6900万株、28.78%を保有している大株主である。

中国本土株も堅調で、上海総合指数が前営業日比0.88%高の3,379.19と3日続伸、CSI300も同1.13%高の4,444.26で引けた。好地合いが続き、終値ベースで、約3カ月半ぶりの高値を更新した。

人民銀行は資金供給を連日で拡大

27日、中国人民銀行は7日物リバースレポで、一回のレポとしては過去3ヶ月間で最大規模となる1,000億元(149億5000万ドル)の資金供給を行った。本日レポの満期を迎える100億元を差し引いてネットで900億元の供給となる。先週から立て続けに資金供給を実施し、規模も600億元/日を上回って拡大し、緩和姿勢を鮮明にした。人民銀は「半期末の流動性を安定的に」維持すると表明したが、それにしては供給量が大きい。

中国当局の景気対策推進の前のめりな姿勢も、早期の経済活動正常化を期待させる

先週のBRICKs会議で、経済成長目標(5.5%成長)の達成にコミットメントすると発言した習近平国家主席だが、その実現性を巡っては見方が分かれている。エコノミストらの中には厳しいコロナ対策が経済成長の足かせになるとの悲観的な見方が目立つ。中国人民銀行顧問である楊偉民氏は、過去数カ月の新型コロナウイルス感染拡大に関連する影響により、5.5%という今年の中国GDP成長率目標は達成が難しくなるとの見方を示した。しかし、そういう見方が出ても、第二四半期に大幅に落ち込んだ経済を取り戻すために、中国政府は大規模なテコ入れ政策を追加するという期待につながる。期待選好の形で、中国株式市場は4週連続で上昇、外国人からの資金流入も増えている。

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