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フィッチ社が発表
8月14日、3大格付け会社の1つであるフィッチ社は、英国のソブリン信用格付けを「AAマイナス」に据え置き、見通しを「安定的」と発表し、報告書を公表した。英国の格付けは「高所得で大規模、かつ多様で柔軟な経済、信頼性の高いマクロ経済政策の枠組み、厚みのある資本市場、国際的な準備通貨としてのポンドの地位に支えられた資金調達の柔軟性」によって支えられていると理由づけた。
英国立統計局(ONS)が前日8月13日に発表した6月の国内総生産(GDP)は、前月比0.3%増と市場の事前予想を上回ってプラス成長となった。サービス業が同0.4%増でけん引役となったことが主因だった。工業生産は同0.2%減、建設業でも同0.1%減とサービス業の伸びを一部相殺した。全体としてはイラン情勢に伴うエネルギー価格高騰が一時的に落ち着いたことに加え、サッカーワールドカップの開幕や猛暑による需要増が企業活動を押し上げた。一方、5月のGDP伸び率は、前月比0.1%増から横ばいへ下方修正された。第2・四半期(4─6月)の経済成長率は前年同期比0.4%となり、第1・四半期の0.6%から鈍化したものの、通常より堅調なペースを維持した。
英国経済は全体として、イラン戦争の影響を、うまく回避できており、原油高が消費者や企業の活動に悪影響を及ぼした形跡はほとんどない。ただし、今回の調査時期は、米国とイランの停戦期間と重なったこともあり、イラン戦争の影響が実態より少なくなった可能性はある。
また、近年は上半期に高成長を示した後、下半期に急減速する傾向が繰り返されてきた点に留意すべきとの声もある。上半期は堅調だったが、英国経済は今後数カ月で減速に転じるとの見通しを維持するエコノミストも多い。家計消費と企業投資の伸びが持続するかどうかも注目したい。
今回の英国経済の堅調な統計は、7月に首相を辞任したスターマー氏の後継として首相となったバーナム氏にとって一定の追い風となるだろう。与党労働党内での基盤強化と内閣支持率の上昇は、英国議会下院での政治的な安定に寄与する。ただ、財政規律を巡る懸念や、イラン戦争の影響など、依然として多くの課題に直面しており、英国政界の不確実性は目立つ。