
27日は衆議院選挙の投開票
日本では、10月27日に総選挙(衆議院選挙)の投開票が行われる。日本の主要メディアの報道の中には、自民・公明の連立与党で獲得議席が過半数を割れる可能性が報じられている。少数与党となれば政権運営は不安定化する可能性が高まるのみならず、与党内での政権闘争が再燃する可能性や自民党の分裂の可能性や、新たな組み合わせでの連立政権が誕生するシナリオが浮上する可能性もあり、不確実性が高まることが考えられる。
日本の総選挙の結果は、自公与党で過半数割れし、石破政権が弱体化するとのシナリオがメインだろう。この場合、少なくとも日本銀行の金融政策正常化への動きは鈍り、来年3月までに追加利上げを実施することは困難になるとの観測が強まるのではないか。そうなると、ドル円金利差の縮小は先送りとなり、為替相場でのドル高円安の流れは変わらない。
一方で、与党が大敗し、立憲民主党を中心とした野党の連立政権が成立するような事態となれば、財政金融政策の方向感を見極める必要が出てくる。この場合は、現政権が維持される場合よりも、円高方向に、振れる可能性あるが、それでも、今週末は米雇用統計(9月)の発表があることや、来週半ばには米大統領選を控えており、相場の方向性を左右するほどのことにならないだろう。日銀の金融政策決定会合は、金融政策の現状維持が想定され、相場への影響は軽微であろう。
ドル円相場は11月の米大統領選を前にポジションを傾けづらく、方向感を欠くのではないか。予想の取引レンジは1ドル=149円-153円。
米国大統領選挙は、トランプ優位が伝えられるものの、土壇場まで勝負は分からず
米国では11月5日には大統領選挙の投開票が実施される。現状では、激戦7州でトランプ候補の優勢も伝えられているが、ハリス陣営も巻き返しに必死であり、筆者が兼ねて指摘している通り、激戦州の投票箱が全て開けられるまで、対どちらが勝つかはわからないだろう。
先週発表された経済指標では、9月の米製造業耐久財受注は2カ月連続の減少で製造業には伸びがみられないことを示した。米ミシガン大学が調査・発表した10月の消費者マインド指数(確報値)は70.5と前月の70.1から一段上昇し、6カ月ぶりの高水準となった。この指標が改善した一番の要因は、金利の低下だろう。9月FOMCで0.50%幅の金利引き下げが実施され、市場金利が低下したことで、購買意欲が高まったと考えられる。耐久財の購入環境を示す指標も4か月ぶりの高水準を回復した。消費者の半数以上が、今後1年にさらなる金利引き下げを見込んでいると回答した。これからの時期、全米で最も小売売上が拡大する時期が到来する。個人消費が堅調であることは、経済運営には望ましい環境となるだろう。ただ、低所得者層は所得がより高い層と比べて収入増加への期待が低いことも示された。厳しい先行きを見越しているとも言える。1年先のインフレ期待は2.7%で変わらずとなる一方、5-10年先のインフレ期待は3.0%に低下した。
経済指標では、米国経済の堅調ぶりが戻り、夏場に広がったハードランディングへの懸念は後退し、ソフトランディングの可能性が高くなったと考えられる。インフレ圧力は、相変わらず、縮小していないが、制御が効かないという懸念は過去のものとなった。FRBにとっては、「望ましいシナリオ」に近付いていると言えるだろう。また、米消費者も、インフレが鈍化しているとの受け止め方を強めており、消費が継続する公算が高まっている。そうなると、見通せないのは、大統領選挙と地政学的なリスクということになろう。