ハンセン指数は3日ぶりに反落、全国人民代表大会開催が招く「異次元警戒ムード」に

香港・中国市場Dairy ~ ハンセン指数は3日ぶりに反落

ハンセン指数 20,534.48 pt (▲0.33%)
中国本土株指数 6,912.28 pt (▲0.36%)
レッドチップ指数 4,112.21 pt (▲0.28%)

売買代金1,277億1百万HK$(前日1,057億8百万HK$)

米国はサービス業での人手不足による賃金上昇圧力が顕著に

週明けの米国市場では7日と8日に控えるパウエル議長の金融政策に関する議会証言を前に、マーケットは様子見から方向感の乏しい展開となった。また10日には米国雇用統計(2月)が発表される予定である。次回3月FOMCの利上げ幅を左右しかねない材料の発表を控え様子見は致し方ないだろう。市場のメインシナリオは、今後25bpsずつの利上げが3回実施され、今年9月FOMCでターミナルレートがピークを付けることを見込んでいる。

しかし、1月に匹敵するような力強い雇用統計が発表されれば、金融市場は更なる金融引き締めを織り込む可能性もでてくる。特に、サービス業での人手不足による賃金上昇圧力が、インフレにつながる構図は、インフレ圧力が緩まない可能性を示唆しており、インフレ率を抑え込みたいFRBにとっては厄介な状況である。

1月の雇用統計の結果を受けて、政策金利に敏感な米国2年債利回りはこの約一カ月で4.10%から4.90%まで上昇し、その動きは顕著だった。1980年以来で最大を記録した米国債10年利回りと米国2年債利回りの逆イールド幅はさらに拡大する可能性もあり、短期債は一段とボラティリティの高い相場が続くだろう。

グローバルにも主要中銀が設定するインフレ目標から現実のインフレ率は大きく乖離している。各国とも、インフレ沈静には時間を要し、インフレとの闘いは長引く公算が高い。7日にはオーストラリア準備銀行が10会合連続となる利上げを実施し、約10年ぶりの高水準となる3.60%に達した。声明では、金融政策の一段の引き締めが必要になると表明している。主要債券市場は、全ての年限で年初来最高の利回り水準で推移しており、厳しい環境が当分続くだろう。

ハンセン指数は3日ぶりに反落

7日の香港市場は全国人民代表大会が開催される中、政策動向を見極めたいとの意向から方向感の乏しい展開となった。中国貿易統計の内容も嫌気された。中国税関総署が昼頃に発表した1-2月の貿易統計は輸出・輸入ともに大きく低下したことで内需、外需の弱さが鈍ことが示唆された。発表を受けてハンセン指数は午後に下げに転じ、ハンセン指数は前日比0.33%安と3日ぶりに反落した。

ハイテク株で構成されるハンセンテック指数は前日比1.31%安と反落、IT・ネット株や自動車関連が下げに転じ、動画配信のビリビリ(9626)は5.4%安、人工知能のセンスタイム(0020)は4.9%安、電気自動車メーカーの小鵬汽車(9868)は4.5%安と下げた。

不動産関連株も軟調な動きとなり、不動産株で構成されるハンセン不動産指数は同1.76%安と反落。不動産開発の碧桂園(2007)は3.9%安、龍湖集団(0960)は3.6%安、不動産サービスの碧桂園服務(6098)は1.7%安だった。

中国本土株市場は上海総合指数は前日比1.11%安の3,285.10と続落、CSI300は同1.46%安の4,048.85だった。

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