香港・中国市場Dairy ~ テンセントが美団株240億ドル相当の売却を発表、ハンセン指数は午後に急落し2日続落
ハンセン指数 19,830.52 pt (▲1.05%)
中国本土株指数6,727.94 pt (▲1.27%)
レッドチップ指数 3,601.07 pt (+0.61%)
売買代金987億0百万HK$(前日737億9万HK$)
週明けの米国市場は、インフレ懸念後退から堅調に推移し、終値ベースで米主要指数は3指数揃ってプラス圏で終えた。朝方、ニューヨーク州製造業景況指数はマイナス31.3と前月から42.4ポイントもの大幅な下落を示したため、前場の取引で株価指数は前日比マイナス圏で取引された。ただ、4週連続で上昇を続ける米国株式市場は、底堅さのほうが目につく。当面、相場の反発局面は続くと予想している。
一方で、香港市場は上値が重い展開が続いている。前日に発表された中国経済統計も、足元の厳しい現実を示唆している。中国政府は、昨日、予想に反して中期貸出制度(MLF)の金利引き下げに踏み切ったが、下振れリスク高まる景気を下支えするため、景気刺激策を検討することをほのめかしている。
ただMLF引き下げに対して、市場の反応は限定的である。景気刺激には資するとの評価はあるものの、強力なてこ入れ策になるとみる向きは少ないようである。他方で、不動産市場の低迷や足元のゼロコロナ政策による景気減速懸念が強い。一部では、予想外に利下げが実施されたように、景気安定化に向けた政策の一環で、追加刺激策への期待は高まっている。今後の中国政府の動きは、注視する必要があるとみられる。
16日の香港市場は朝方、中国規制当局が国有の金融保証保険会社、中債信用増進投資に対し、一部の民間不動産開発会社が発行した国内債を保証するよう指示した。この報道を受けて中国本土不動産株は大幅上昇、不動産株で構成されるハンセン本土不動産指数は一時、前日比10%強まで上昇した。ただハンセン指数は午後は一転してマイナス圏まで大幅反落し前日比1.05%安で引けた。中国のインターネットサービス大手のテンセント(0700)は食品デリバリー大手の美団(3690)の保有株240億ドル相当の全てもしくは大半を売却する計画を示した。テンセントは美団株の17%相当を保有している。
この報道を受けて美団(3690)は午後に急落し前日比9.0%安、テンセントが投資したテクノロジー関連株も売却懸念が高まり連れ安となった。動画投稿アプリの快手(1024)は4.3%安。動画配信のビリビリ(9626)は2.5%安となった。電子部品も売られハンセンテック指数は2.0%安と下落。スマートフォンの小米集団(1810)は3.6%安、半導体ファウンドリーの華虹半導体(1347)は%2.9安だった。
一方、本土不動産株は香港市場に逆行して大幅高となった。不動産管理サービスの碧桂園服務(3690)は15.0%高、不動産開発の龍湖集團(0960)は12.4%高、碧桂園(2007)は9.0%高となった。
中国本土株市場は上海総合指数が前日比0.05%高と3,277.89、3日ぶりに反発となった。中国人民銀行の緩和スタンスが改めて材料視され、22日に公表される銀行貸し出しの指標となる最優遇貸出金利の引き下げ観測が強まった、また前述した不動産企業の社債を国有企業が全額保証との報道を受けて不動産株の上げが目立った。