香港・中国市場Dairy ~ 米国物価統計を控え、香港市場は前日終値を挟んで一進一退
ハンセン指数 20,797.95 pt (▲0.22%)
中国本土株指数 7,145.83 pt (▲0.64%)
レッドチップ指数 3,817.93 pt (▲0.74%)
売買代金1,084億0百万HK$(前日1,154億9百万HK$)
中国市場は、小幅ながら4日ぶりに上昇
13日の香港市場は寄り付き、自律反発の流れから買いに転じ、取引時間は中国貿易統計の結果を受け指数は持ち直す場面もみられた。ただ、今夜の米消費者物価指数(CPI)を控え、大引けにかけて前日終値を挟んで一進一退の動きとなった。
ハンセン指数は3日間続落し、前日比0.22%安で引けた。同指数は3日で4.3%下落し、約1ヵ月半ぶりの安値水準となった。
中国本土の不動産株が大幅安となり、不動産株で構成されるハンセン本土不動産指数は前日比4.18%安と2016年3月1日以来の低水準となった。7月第一週の不動産販売の売上高が減少に転じたことが再び売り先行の形となった。
中国不動産開発大手の碧桂園(2007)は同8.4%安、系列の不動産管理サービスの碧桂園服務(6098)は同6.8%安となった。そのほか不動産開発の旭輝集団(0884)は同13.1%安、合生創展(0754)は同6.5%安、時代中国(1233)は同5.2%安と下げに転じた。国内不動産販売の売上は6月に入って回復基調にあったもの、不安定な需要が引きつづき懸念された。
一方、連日売られたハイテク株は買い戻され、ハンセンテック指数は前日比0.51%高とアウトパフォームした。動画配信プラットフォームのビリビリ(9626)は同3.6%高、京東集団(9618)は同2.8%高、自動車セクターも物色され小鵬汽車(9868)、理想汽車(2015)はそれぞれ同2.7%、2.0%高となった。
オンラインゲーム銘柄も上昇した。中国のゲーム業界規制当局である国家新聞出版署は12日、新たに67作品のオンラインゲームを認可することを発表した。今回の認可は4月と6月に続き大手のテンセントや網易の作品は追加されなかったもの、5月を除き月次での認可が進み、今後も追加発表されていくことが好感された。
当局は20年からオンラインゲーム業界への締め付けを強化し、今年4月に約9ヵ月ぶりの認可を再開していた。オンラインゲーム事業の金山軟件(3888)は同3.1%高、認可を受けた創夢天地(1119)は同2.1%高、網易(9999)は同1.9%反発した。
中国本土市場では上海総合指数は前日比0.09%高の3284.29と小幅ながら4日ぶりに上昇した。CSI300も同0.18%高と反発した。中国国内では新型コロナウイルス感染が再び拡大しているものの、12日の感染者数(無症状含む)は11日ぶりに300人を下回り261人なった。
上海ロックダウンを経験するも貿易総額は前年比アップ
中国税関総署は13日、2022年1~6月の貿易総額が人民元ベースで前年同期比9.4%増の19兆8千億元だったと発表した。輸出が13.2%増、輸入は4.8%増、貿易黒字額は2兆4800億元だった。
中国では3月下旬から上海が都市封鎖された。封鎖は5月まで続き貿易業務が滞ったもの、6月から順次解除され、伸び率は1~5月から大幅に拡大した。中国税関の李奎文報道官によると、「5月と6月は、ロックダウンが緩和されたほか、景気刺激策の効果もあって、対外国貿易は大幅に回復」したそうである。
特に2022年上半期の原油、天然ガス、石炭などエネルギー製品の輸入総額は1.48兆元と、前年比353.1%もの大幅増加となり、輸入総額の17.1%を占めた。
今年香港最大となる新規IPOが、深圳取引所と重複上場
中国のリチウムメーカーの天斉リチウム(9696)は13日、香港取引所に上場し、取引初日の株価は公募価格の82香港ドルで引けた。株価は一時11%の大幅下落となったもの、大引けにかけて大きく戻した。
同社は今年の香港市場で最大規模となる約135億香港ドル(約17億米ドル)を調達し、深圳取引所と重複上場を達成した。
新規上場の株価の値動きは大きく同日に上場した3社、名創優品(9896)、諾亜控股(6686)、湖州ガス(6661)の初日の取引はいずれも大幅安で終えた。今月には世界最大の旅行業者である中国旅遊集団が香港で大規模な株式公開をする予定であり、投資家の見方は慎重であることを示唆している。
同社は上海と重複上場となり、資金規模は20~30億米ドルに上るといわれている。香港の上場株式件数は上半期以降、回復傾向にあり今後も増加基調にある。ただ大型の上場案件を控え資金拠出のための売りも懸念されるなど、新規上場銘柄の価格変動の動きが注目される。