上海市政府が制限緩和と政策措置を発表

上海市政府は、6月1日から新型コロナウイルス感染対策として実施している防疫と事業再開の管理に関する指針を改定し、生産などの「不合理な制限」を解除することを発表した。6月から全ての製造業者が生産を再開することを認める。また、公共の場所に入る際に課していた検査の要件を緩和する。

上海市政府は、制限による影響を受けて打撃を受けた経済を立て直すため、政策措置も合わせて発表した。発表された措置には、8分野の計50項目に上り、以下のものが含まれる。


• 企業への税の一部につき還付する
• 地方政府債の発行と利用の拡大を加速する
• 中小企業向け銀行融資の繰り延べを要請する
• 中小企業に対し、家賃の支払い延期や公共料金の補助を支給する
• 不動産プロジェクトの承認手続きを前倒しする
• 新たな宅地の供給を進める
• 一部の乗用車両購入税を引き下げる
• 電気自動車(EV)の購入者に1万元の補助金を支給する
• 車のナンバープレート発行枠を今年4万台分に拡大する

また、首都北京市では7日連続で感染者が確認されなかった地区で住民の在宅勤務規則が解除されて出勤が認められた。29日からは、人数を制限した上で図書館や美術館、劇場、スポーツジムの再開が可能になった。朝陽区では、公共交通機関が運行を再開した。

30日のアジア金融市場は堅調に始まった。香港のハンセン株価指数は、前営業日比1.28%上昇、中国CSI300指数も0.54%上昇して取引されている。(香港時間午前10時30分現在)
先週27日に米国株式相場が8週ぶりに上昇に転じ、S&P500指数は5月月初(2日)の4,155を回復したことも支援材料となっている。

なお、30日の米国市場はメモリアルデーの祝日のため休場となる。

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