中国企業5社のリストアップを受け大幅安、ハンセン指数は336ポイント下落

香港デイリー 3/11
ハンセン指数 ▲1.61% 大幅反落

11日の香港市場~中国企業の規制を受け指数は大幅反落

ハンセン指数 20,553.79 pt (▲1.61%)
中国本土株指数 7,060.60 pt (▲2.69%)
レッドチップ指数 3,917.46 pt (▲2.51%)

売買代金1,960億9百万HK$(前日1,462億5百万HK$)

ハンセン指数(HSI INDEX)

前日のNY市場は3指数揃って反落。前日発表された米消費者物価指数(CPI)は前年同月比7.9%上昇と約40年ぶりの高い水準、市場予想の通り7.9%だったもの、過度なインフレ懸念が米経済への先行き不安につながった。ECBは「量的緩和の縮小を加速的に行う」とラガルド総裁は会見で言及し、早くて7-9月にも終了と語った。また声明から利下げの可能性も排除した。これを受けてEUR/USDは一時1.1を大きく上回ったもの、米10年債金利が再び2.0%台まで上昇したこともあり落ち着いた動きとなっている。引き続きロシアとウクライナの外相による停戦協議には進展がなく、危機の長期化に伴うエネルギー価格の上昇が意識された。本日はのグローバル市場は昨日の大幅反発とは一転し不透明な情勢から株式も売りで反応となった。

EUR/USDはECBのテーパリング加速で反発
CPIの結果を受け米10年債は再び上昇

11日の香港市場は大幅安。前日、米国証券取引委員会(SEC)は「上場廃止予定リスト」に中国企業5社の追加を決定。これらの5つの中国企業は、上場廃止の条件を満たしていないことを証明する資料を3月29日までにSECに提出が求められる。外国企業会計法(HFCAA)に基づき、SECは、米国公開企業会計監視委員会が3年間で要求する報告を提出しなかった場合、当企業を取引所から除外する権限を有することとなり、中国企業は一時大幅安となった。

Chi-Med(0013)▲9.4%
BeiGene(6160)▲4.9%
Yum China(9987)▲5.9%
Zai Lab(9688)▲6.3%

SECが提出した上場廃止リスト

ハンセンテック指数は創設以来の安値を大幅に更新。同指数は一時9%近くも売られたが、後場にかけて下げ幅を縮小し4%安で引けた。eコマース大手の京東集團 (9618)は11%安、前日に第4四半期と通年の業績を発表、失望売りが広がった。デリバリーの美團(3690)が6%、アリババ(9988)は5.5%安、前日のNY市場でもアリババは2014年9月14日の上場日 $93.89を割り$92.92(▲7.94%)で引けた。その他、動画配信のビリビリ(9629)10%安、旅行サイトのTrip.com(9961)9%安、自動車セクター、不動産なども売られた。午後からは株価が上昇し、上海証券取引所は1日を通して0.4%上昇し、深圳証券取引所は0.6%上昇し、下げ幅を縮小した。中国の李首相は「2022年のGDP成長率5.5%という目標を達成するのは容易なことではない」(CHINA’S PREMIER LI: IT WILL NOT BE AN EASY TASK TO HIT THE GDP GROWTH GOAL OF 5.5% IN 2022.)と発言したことを受けより一層の経済政策が期待された。個別では取引前に決算を発表し、自社株買い$10blnを発表した保険大手のAIA(1299)が上昇、香港証券取引所(388)2.5%高となった。

個別銘柄

AIAAIA1299.HK3.06%保険大手
HKEX香港交易及結算所0388.HK2.54%取引所
WHARF REIC九龍倉置業地産投資1997.HK2.20%不動産
     
SANDS CHINA LTDサンズ・チャイナ1928.HK▲6.78%カジノ
COUNTRY GARDEN碧桂園2007.HK▲7.81%中国不動産開発大手
JD-SW京東集團9618.HK▲11.0%Eコマース

中国株は米国の上場廃止リスクが高まり大幅安となったもの、引き続き中国の景気対策から買い戻される場面も見られる。中国では新規感染者の増加が顕著に見られ、中国のデイリーの感染者は1,000人を超え約2年ぶりの最多人数になったと報じられた。ゼロコロナ政策がとられる中、より一層の経済停滞を払拭するためにも持続的な緩和策の期待が高まっている。同様に香港は感染者数が高止まりするも、経済再開の目処はたたず、株式市場のアンダーパフォームな展開が続き、資家心理が冷やされる流れが考えられる。

DIDI Chuxing (滴滴出行)が上場延期か

昨年6月末に米国で上場されたDIDIは香港上場の準備を一時停止、中国の規制当局のシステム要件を満たしていないためと報道された。同株式は昨年12月に米国からの上場廃止を計画し、香港に上場回帰の準備を進めていると発表していた。DIDIは今年1月、第2四半期に香港での上場を開始することについて話し合っていると報じられた。この報道を受けDIDIは木曜日の米国株式市場で11%下落し、IPO価格の14ドルから​​76%下落して3.38ドルで取引を終えた。

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