ハンセン指数1000pt安、20,000pt割れ、6年ぶりの安値へ

香港デイリー 3/14
ハンセン指数 ▲4.97% 大幅安

14日の香港市場~ハンセン指数は1,000pt安、6年ぶりの安値へ

ハンセン指数 19,531.66 pt (▲4.97%)
中国本土株指数 6,555.55 pt (▲7.15%)
レッドチップ指数 3,720.86 pt (▲5.02%)

売買代金2,230億5百万HK$(前日1,960億9百万HK$)

ハンセン指数(HSI INDEX)

先週末のNY市場は2日続落、一時は停戦交渉が進展するとの期待が高まり買いが先行もウクライナ外相がプーチン氏の発言(ウクライナとの交渉には一定の前向きな変化があった)を否定すると下落に転じ、双方動きがないまま週末を迎えた。今週も引き続き株式相場は値動きの荒い展開が想定される。そして気になるのがドル円相場だ。円は下落し117円台半ばまで上昇、一時5年2カ月ぶりの安値をつけた。米国で加速するインフレを抑制するため、米連邦準備理事会(FRB)は15~16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを決定するとの見方が高い。先週発表された消費者物価指数は40年ぶりの高水準ということもあり事前の織り込み、そしてパウエル氏の25bps引き上げ支持から見るに3年ぶり利上げが想定される。一方、18日は日銀金融政策決定会合が開催予定だが金融緩和策を維持する姿勢を示している。両中銀の方向性の違いがドル円相場に拍車をかけていることが想定される。

ドル円相場は円安に拍車へ

14日の香港市場は大幅安。先週末、米国当局の中国企業への上場廃止リストから中国株に暗雲が見られていたが、中国の新型コロナウイルス感染再拡大がさらに売り材料視された。中国の主要な製造・流通拠点である深センは、14日からロックダウンを発表。上海含め複数の都市でも移動制限が設けられサプライチェーンの供給が懸念された。2月中旬までは中国の新規感染者は毎日、数10~200人台で推移していたが、オミクロン変異株の拡大が香港から中国へと広がっている。12日の感染者数は約3400人となり過去最多を更新、前日の1500人から2倍近く増え、今後もより多くの感染者が発表される可能性が高い。「ウィズコロナ」をとる先進国とは裏腹に「ゼロコロナ政策」が続く中国経済の不透明な見通しが続く。

中国の新規感染者は増加、12日は約3400人の感染者
USD/CHYはドル高へと反応

主要指数であるハンセン指数は一時1000ptとなり2016年以来の20,000pt割れとなった。ハンセンテック指数は11.3%安で最安値更新、構成銘柄は全面安となった。ハンセン不動産指数は12.6%安、不動産管理サービスのCG SERVICES(6098)20%安、中国不動産開発大手のカントリーガーデン(2007)18%安。外食関連で火鍋チェーン海底撈国際HD(6862)18%安、航空株、カジノ関連株も大きく売られた。テック関連も大幅安、データセンター開発の万国数拠HD(9698)28%安、EVメーカーの小鵬汽車(9868)22%安、中国自動車の理想汽車(2015)、蔚来汽車(9866)といった自動車メーカーも売られた。

ハンセン不動産指数は大幅安

そのほかフードデリバリーのMeituan(3690) 、検索大手の百度(9688)は揃って15%以上、アリババ(9988) は10%近く下落し、Tencent(0700)は9%以上の下落となった。また先週、香港取引所の上場回帰を延期した自動車のDiDiはNY市場で大幅反落。中国規制当局の条件を満たしておらず、上場が再検討の報道となっているが米国上場廃止の影響が先週の米SECのリストアップも含め、より懸念が高まっている可能性が高い。DiDiはNY市場で一日で44%安となった。

DiDiは前日比44.08%安の1.89USDで引けた

個別株

BOC HONG KONG中銀香港2388.HK1.61%銀行
HSBC HOLDINGSHSBC0005.HK1.53%国際銀行
CITIC中国中信0267.HK1.51%金融
     
HAIDILAO海底撈國際6862.HK▲17.9%火鍋チェーン
COUNTRY GARDEN碧桂園2007.HK▲18.8%中国不動産開発大手
CG SERVICES碧桂園服務6098.HK▲21.4%不動産管理サービス

今週は重要指標を控え、15日(火)中国小売売上高・鉱工業生産、16日(水)は米FOMC声明が発表予定となっている。先週開催された全人代では李首相は「GDP目標成長率5.5%は決して簡単なことではない」と発言もあり、中国経済は積極的な景気対策が考えられる。ただ具体的な施策などは発表されなかったこともあり、中国個人消費の動向は今後の経済を見る上でも注目したいところだ。そして米国をはじめ、日銀の政策決定会合も控え金利動向が意識される相場と考えられる。

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