香港デイリー 3/2
ハンセン指数▲1.84% 大幅反落
2日の香港市場〜大幅反落、パンデミック来の安値
ハンセン指数 22,343.92 pt (▲1.84%)
中国本土株指数 7,908.18 pt (▲1.80%)
レッドチップ指数 4,175.38 pt (▲0.94%)
売買代金 1,146億4,390万HK$(前日1,149億7,070万HK$)
2日の株式市場は大幅反落、ウクライナに対するロシアの攻撃に終わりが見えず前日の自律反発とは一転して金融売りとなった。エネルギー供給が不透明なことから原油先物は急反発。ブレント原油先物は1バレル110ドル台、WTI原油先物は一時1バレル109ドル台を突破し2014年来の高値水準まで上昇した。産油国ロシアのウクライナ侵攻で供給が滞る懸念が根強く、激しい戦闘の継続も伝わるなか買いが勢いづいた。国際エネルギー機関(IEA)加盟国は1日、石油備蓄計6000万バレルを協調放出すると発表したが、反応は鈍い模様だ。本日、日本時間21時半(香港時間20時半)に2回のOPEC会合を開催予定、事前の予想では増産方針維持する公算ともみられ過度な懸念の後退につながるかが注目されよう。
香港市場は3指数揃って大幅反落、前日のNY市場でもNYダウは前日比597ドル安、下げ幅は一時784ドルに拡大と、ロシアのウクライナ侵攻がエスカレートし、リスク回避の株売り・債券買いが強まった。米国10年債金利も1.7%台まで低下し利上げを織り込んだ金利上昇にも一服が見られ始めた。3月5日からはFRB高官はブラックアウト期間(FOMCを前に政策についての発言が禁止期間)に入る。3月のFOMCによる50 bps利上げ期待は消滅しており、(織り込み幅は先月最高の48.0bpsから現在24.5bpsまで低下している)、また25 bpsの利上げすら低下していることもあり金利の幅はさらに下値を探る展開も考えられる。
ハンセン指数は前日の小幅反発から2日は大幅下落し、再びパンデミック来の安値水準となった。香港では、新型コロナウイルス感染再拡大の影響も不安視されている。構成銘柄では前日、好決算で5%上昇したガラス生産の信義ガラス(0868.HK)が大幅反落、一時▲10%強まで下落、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382.HK)▲8.83%と下げが目立った。セクターでは金融株中心に大きく下げ、HSBC(5.HK)▲5.1%、中銀香港(2388.HK)▲4.1%、ハンセン銀行(11.HK)▲2.0%、不動産、自動車セクターも大幅反落した。ハンセンテック指数は▲2.7%、指数統計以来、ふたたび最安値更新まで下落した。動画配信の快手(1024.HK)▲8.7%、自動車の比亚迪(0285.HK)▲4.6%、動画配信プラットフォームのビリビリ(9628.HK)▲4.6%が目立った。
半面、石油・石炭セクターは高い。非鉄セクターも急伸し、グローバル全体、資源高のセクターの上昇が目立った。個別では中国検索エンジンの百度(9888.HK)が大幅上昇した。前日の決算では21年度の純利益は▲54%も売上高は堅調で前年比+21%の増加となった。また広告外収入は前年比+71%と急成長、百度のCFOは今後より持続的な収益達成を目指すと発言した。
個別銘柄
CNOOC | 中国海洋石油(CNOOC) | 0883.HK | 3.39% | 石油関連 |
PETROCHINA | ペトロチャイナ | 0857.HK | 2.90% | 石油関連 |
HANG LUNG PPT | 恒隆地産 | 0101.HK | 2.48% | 不動産 |
COUNTRY GARDEN | 碧桂園(カントリー・ガーデン) | 2007.HK | ▲7.45% | 中国不動産開発大手 |
BYD COMPANY | 比亜迪 | 12382.HK | ▲8.83% | 電池・自動車メーカー |
XINYI GLASS | 信义玻璃 | 0868.HK | ▲10.4% | ガラス大手 |
中国本土指数は上海総合指数が0.13%安の3484.19pt。4日ぶり反落も、資源株物色で下げは限定となった。中国アルミが大幅高。中国アルミに関しては、主要なアルミ生産国、ロシアからの世界供給が滞るとの思惑などが広がった。
ロックダウンの検討から香港民は混乱
香港で新型コロナウイルスの感染者が急増している。2日の新規感染者は5万人を超えたもよう。前日の3万2597人から大幅に増加した。また政府のロックダウンの詳細が発表されておらず、域内では混乱が続きスーパーマーケットを中心に買い溜めをする買い物客で溢れた。ロックダウンに関しては前日のメディアの報道から一転して、約740万人の香港全市民を対象にした新型コロナウイルス検査について、政府は3月26日〜4月3日に実施することを計画しているもようと報じた。日程は9日間で、この間1人当たり3回の検査を行う。前日報道された3月17日以降に香港民、約740万人を対象に3回のコロナ検査を延べ9日間で実施するという発表から後倒しとなったが、香港政府から正式な発表がなされていないのも混乱の要因と考えられる。ウクライナ情勢の他に国内感染リスクで混乱が続く香港のマーケットは引き続き厳しい環境が続くと考えられる。