中国「ゼロコロナ政策」の見直しを検討、香港市場はレジャー関連株が上昇

香港デイリー 3/3
ハンセン指数+0.55% 2日ぶりに反発

3日の香港市場〜指数は2日ぶりに反発、パンデミック来の安値から反発

ハンセン指数 22,467.34 pt (+0.55%)
中国本土株指数 7,900.04 pt (▲0.11%)
レッドチップ指数 4,232.08 pt (+1.36%)

売買代金 1,156億2百万HK$(前日1,146億4百万HK$)

ハンセン指数(HSI INDEX)

3日の株式市場はアジア全体反発。前日NY市場が3指数揃って上昇したことも心理的な支えとなった。前日、パウエルFRB議長は、3月の利上げ幅について「25bps」と言及、急速な利上げへの懸念が後退した。FRBの政策は現在のインフレによるものでなく長期的な目線で施策を検討。4日からFRB高官は”ブラックアウト期間”(FOMCまで具体的な言及が禁止とされる期間)へと入ったこともあり、マーケットは株買い、債券売りへと反応した。市場では利上げ幅が「50bps」の織り込みから低下したことも警戒心を和らげた。
一方、商品市場は依然と買い優勢の相場が続き、ブレント原油先物は118ドル/バレル台まで上昇、2011年来の高値まで突破した。前日開催されたOPEC+では市場の予想通り増産を決定し、4月から日量40万バレルの引き上げを行う。ただ供給量に対してはロシアのウクライナ侵攻によるロシア産の原油が滞るとの見方が強く、原油先物は連日高値を維持する相場が続く。WTI原油先物は一時115ドル/バレル台を乗せ、リーマンショック後の最高値まで上昇。OPEC+は供給量に対して慎重に判断するとの構えで、次回の開催を3月31日に決定した。

ブレント原油先物は上昇が続く

3日の香港市場は主要指数であるハンセン指数は小幅に反発。前日、中国当局が「ゼロコロナ政策」の見直しについて言及。こにきて本格的な規制緩和の検討に入った。ウォール・ストリート(WSJ)によると来春まで緩和される可能性は低いが、夏にも複数の選定都市で実験的な緩和が始まるかもしれないという。これを受け関連株が上昇。カジノセクターでサンズ・チャイナ(1928.HK)一時+8%強の上昇。航空株、外食チェーンも上昇、TRIP.COM(9961.HK)+10.7%、Tongcheng Travel(0780.HK)+7.3%、外食チェーンでは火鍋店経営の海底撈国際HD(6862.HK)+3.8%。ハンセン構成銘柄では電動工具メーカー創科実業(0669.HK)が大幅反発、通期決算の増益が材料視された模様、インベストメント会社の中国中信(0267)+3.2%が上昇した。その他、銀行・金融株も上昇、香港中銀(2388.HK)+3.7%、HSBC(0005.HK)+4.1%と反発した。連日の資源高を受けて石油、素材関連銘柄も上昇。
一方、テック銘柄中心にハンセンテック指数は▲1.3%とアンダーパフォームと連日安値を更新。一部報道では2日、中国規制局はインターネット企業に対し更なる規制が必要との発言。それを受け中国インターネットプラットフォームは下落し、連日で売り基調が続いた。

個別銘柄

TECHTRONIC IND創科実業0669.HK9.04%電動工具メーカー
HSBC HOLDINGSHSBC0005.HK4.10%国際銀行
HAIDILAO海底撈國際6862.HK3.81%火鍋チェーン
     
ENN ENERGY新奧能源2688.HK▲7.45%中国民間ガス供給業者
GEELY AUTO吉利汽車0175.HK▲8.83%民間自動車メーカー
SHENZHOU INTL申洲国際集団HD2313.HK▲10.4%中国ニット衣料

経済指標

3日、香港製造業PMIが発表され、コロナ増加やロックダウンを視野に入れた香港経済は縮小傾向が続く。2月製造業PMIは結果 42.9、前回 48.9から大きく下げた。内容は大きく下振れた結果となったが、ここ最近のコロナ感染の死亡率は世界ワーストトップ。市場の見通しは非常に厳しく、中国本土はコロナの規制緩和に走る中、厳しい環境が続く。徐德義食糧保健部(Secretary for Food and Healt)は本日午後4時30分からコロナ流行の記者会見を行う予定。

香港製造業PMI
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香港の死亡率は大きく上昇

本土については中国財新サービス業PMIが発表され、1月は春節の影響にもかかわらず50台を上回った。結果50.2、予想50.7、前回51.4。先日発表されたサービス業を対象とする非製造業PMIは51.6と予想外の堅調さを維持している。中国は週末の3月5日、全国人民代表大会が開幕する。景気テコ入れに向け、各種方針が打ち出される見通しとなっている。王商務相も「今年は個人消費を促進するためにあらゆる手段を講じる必要がある」と発言、ゼロコロナ政策については新たな規制緩和の報道もあり、今後の消費購買力促進のための政策が打ち出されるかが注目となるだろう。

中国財新サービス業PMI

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