香港デイリー 3/1
ハンセン指数+0.21% 4日ぶりの反発
1日の香港市場~コロナ感染パニックが続く香港、4日ぶりに小幅反発
ハンセン指数 22,761.71 pt (+0.21%)
中国本土株指数 8,053.04 pt (+0.36%)
レッドチップ指数 4,215.03 pt (+0.14%)
売買代金 1,149億7,070万HK$(前日1,534億7,900万HK$)
アジア時間、3月初日の株式市場は日本を中心に大幅反発。前日開催されウクライナとロシアの停戦対話は再協議となるなどウクライナ情勢は依然として不透明感が残るもの、急ピッチで下落した株式市場は手ごろ感から自律反発と買い優勢の相場となった。
一方、香港市場は午前中、グローバル市場とは一転して上値が重い展開が続く。香港では行動抑制強化が警戒される流れが濃厚となっており(下段 香港 ロックダウンの措置を検討参考)、経済活動の停滞が懸念される。指数は一時パンデミック以来の安値水準まで下落。ただ午後からは買いに転じ4日ぶりの小幅反発となった。
ハンセン指数構成銘柄では通期決算で増益、配当の増額を発表したガラス生産の信義ガラス(0868.HK)+5.0%、バイオ医薬品開発の薬明生物技術(2269.HK)+4.8%。中国自動車セクターも高く、リ・オート(2015.HK)+10.6%、BYD(1211/.HK)+1.2%、その他、下落が続いていた中国EコマースのJD-SW (9618.HK)+3.0%、テンセント(0700.HK)+2.3%なども買われた。不動産セクターも買われた一方、経済規制から香港に拠点を置く金融や消費が安い。
個別銘柄
XINYI GLASS | 信義玻璃 | 0868.HK | 5.06% | ガラス大手 |
WUXI BIO | 薬明生物技術 | 2269.HK | 4.82% | バイオ医薬品開発 |
AAC TECH | 瑞声科技 | 2018.HK | 4.20% | 小型電子部品メーカー |
SUNNY OPTICAL | 舜宇光学科技 | 2382.HK | ▲2.41% | 光学部品メーカー |
CSPC PHARMA | 石薬集団 | 1093.HK | ▲2.81% | 医薬品の製造・販売 |
SHENZHOU INTL | 申洲国際集団HD | 2313.HK | ▲2.97% | 中国ニット衣料 |
中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が前日比+0.77%の3488.84ptと3日続伸した。中国景気の先行き楽観が強まる流れ、消費関連に買いが入った。
🇭🇰香港 ロックダウンの措置を検討
28日、香港政府は全土においてロックダウンの措置を検討していることを明らかにした。新規感染者数の増加が歯止めが止まらない香港は月曜日、新規コロナ陽性者数が34,466人と連日での過去最多数を記録した。香港政府は3月17日以降に香港民、約740万人を対象に3回のコロナ検査を延べ9日間で実施すると発表しており、それに合わして10日間のロックダウンを実施する必要があると述べている。ただ中国本土のような強制力を持ったロックダウンではなく、食料品など生活必需品の買い出しは許可する見通しだ。今後、香港政府は地下鉄を含めた交通機関の規制も検討しているなど近く詳細が発表されるが見通しは非常に厳しい環境が続く。
🇨🇳中国 経済指標2月は予想外の活動拡大
1日、中国のPMIが発表され2月の中国製造業は50.2と小幅上昇し、予想外に上向く内容だった。節目となる50を上回り市場予想(49.9)も上回った。春節(旧正月)連休や新型コロナウイルス感染再拡大があったもの、前月から小幅ながら改善。サービス業を対象とする非製造業PMIは51.6。1月の51.1、市場予想の50.7を上回った。また財新製造業PMIも同様に50.4と市場予想(49.5)を上回り、節目となる50を超えた。中国では年ごとに時期が異なる1週間の春節連休によってゆがみが生じる傾向があり、春節期間は多くの企業や工場が休業し、帰省する人も多いが、中国内の一部ではコロナ感染拡大を受けた制限措置で勤務地がある都市にとどまる人もいたため底堅い数字になった模様だ。
中国は週末の3月5日、全国人民代表大会が開幕する。景気テコ入れに向け、各種方針が打ち出される見通しとなっている。王商務相も「今年は個人消費を促進するためにあらゆる手段を講じる必要がある」と発言、不動産投資の規制やゼロコロナ政策といった施策から中国消費者動向は鈍化傾向。先月は政策金利は据え置きとしたが、今後の消費購買力促進のための政策が打ち出されるかが注目となるだろう。
ドル元も安定しており1 USD = 6.31 Yuan で取引されている。ウクライナ情勢の緊迫化などを背景に、人民元にリスク回避の資金が流入しており年初来から人民元高がすすむ。香港金融管理局(HKMA)の最新データによると、香港域内の人民元建て預金残高は今年1月末時点で1兆960億人民元(約20兆円)と過去最高となっており資金の流入が続く。世界的金利高の中、ドル一強が続いていた背景もあり、一部の資金が流れている可能性が高い。中国人民銀行は政策金利の引き下げを敢行するなど、今後より一層の金融緩和に走ることも考えられ、安全資産として継続するかが注目だ。