米露危機でグローバル株急落へ、ハンセンテック指数は創設以来の安値更新

香港デイリー 2/22
ハンセン指数▲2.69% 3日続落

22日の香港市場~米欧露の交渉難航を警戒、連日株価は大幅安

ハンセン指数 23,520.00 pt (▲2.69%)
中国本土株指数 8,270.69 pt (▲2.19%)
レッドチップ指数 4,318.75 pt (▲0.97%)

売買代金 1,469億2,850万HK$(前日1,437億4,940万HK$)

ハンセン指数(HSI INDEX)

22日香港市場は大幅安、連日のウクライナ情勢に加え、ロシアがウクライナ親ロシア派支配地域の軍展開へ。ウクライナ東部の一部地域について独立を承認したとの発表についてはウクライナや米欧が一方的な決定として反発するのは必至。欧米の対ロシア制裁が世界景気に悪影響を及ぼしかねないとの見方や、24日に予定される米露外相会合、原則的に合意した米露首脳会談などの外交交渉にも大きな影響を及ぼすともみられ、グローバル全体リスクオフの姿勢が続く。その影響は原油先物に波及しWTI原油先物は一時$95まで大幅続伸、ロシア株は前日8%安、時間外の欧州先物安と世界全体株安へ波及している。
香港市場も連日の大幅安、ハンセンテック指数は先週金曜から▲8%強下落と2020年7月創設以来の最安値水準まで下落している。中国当局の同セクターに対する規制や、先週金曜に報道されたフードデリバリーの徴収料金の引き下げといった悪材料からハイテク企業中心に売りが続く。Eコマース中国最大手のアリババ(9988.HK)に関しては、傘下アント・グループに金融当局の調査が入ったとの観測が逆風。報道によれば、当局は国有大手企業や金融機関に対し、アントとの取引状況を報告するよう指示したという。

ハンセンテック指数(2020年7月創設)

ハンセン指数の個別では決算を発表し市場予想を大きく下回ったHANG SENG BANK (011.HK)が大幅安▲10.2%。セクターではガス供給関連が安く、朝方モルガン・スタンレーが中国ガスセクターの見通しについて厳しい環境が続くと見立て、対象銘柄を中立からアンダーパフォームに引き下げた新奥能源HD(2688.HK)▲10.9%、タウンガス・チャイナ(1083.HK)▲5.47%、中国ガス(1193.HK)▲6.01%が大幅安となった。そのほか旅行代理店やカジノのレジャー関連も売られ、ほぼ全面安の動きとなった。

個別株

PETROCHINAペトロチャイナ0857.HK1.70%石油関連
CNOOC中国海洋石油(CNOOC)0883.HK0.60%石油関連
HANG LUNG PPT恒隆地産0101.HK0.36%不動産
     
ANTA SPORTS安踏體育2268.HK▲5.20%スポーツシューズ生産・販売
HANG SENG BANKハンセン銀行0011.HK▲10.2%銀行
ENN ENERGY新奧能源2688.HK▲10.9%中国民間ガス供給業者

中国本土マーケットは上海総合指数が▲0.96%、3457.15 pt二日続落となった。グローバル全体の株安と比較すると指数全体アウトパフォームするなど下値は底堅い動きが続く。消費関連に売りが出るも、半導体株などの物色が目立ち中国当局が再び産業統制に動いていることもあるが、さほど影響は出ていないように感じる。

今週の予定

ニュージランド政策決定会合 水曜日
韓国銀行の政策決定 木曜日
EIA原油在庫統計 木曜日
ブリンケン米国務長官-ラブロフ露外相 会談 木曜日

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