市場予想

ドイツ経済にもやや異変か?景況感悪化。

ドイツ景況感指数(9月)は急低下

欧州経済研究センター(ZEW)が9月7日に発表したドイツの景況感指数(9月)は、期待指数が26.5と、前月の40.4から大幅に低下した。4カ月連続で低下、コロナ禍が始まって低下した2020年前半以来の低い水準を付けた。期待指数は、今後6カ月間の景気見通しを示すとの位置づけ。

背景には、新型コロナウイルス・デルタ変異種の感染状況が悪化していることに加えて、世界的なサプライチェーンで供給に障害が発生していること、特に、自動車産業での半導体不足や建設業での資材不足によって、これら業種での生産見通しが悪化しており、企業利益の見通しも下方修正されたことが大きい。ドイツの産業構造上、自動車産業の影響度は大きく、これが全体の景気見通しにネガティブな要因となったと考えられる。

同じく7日に欧州連合統計局が発表したユーロ圏GDP確定値(第2四半期)は、速報値の前期比2.0%から同2.2%増に上方修正された。家計消費が前期比3.7%増、雇用も同0.7%増と上方修正された事に加え、政府支出や投資が成長に寄与した。

欧州債券利回りは低下せず。ECB理事会待ち。

欧州債券相場では、ドイツ国債利回りが上昇した。ドイツの景況感は軟化したものの、米国債相場で利回りが上昇したことに引っ張られる格好となった。10年ドイツ国債利回りは0.05%上昇してマイナス0.313%となった。また、ECB理事会を控えて、米FRB同様に、ECB内部でタカ派的な見方が増えているとの観測が、利回りの低下を妨げているようである。

欧州連合統計局が8月31日に発表したユーロ圏消費者物価指数CPI(8月)速報値は前年同月比3.0%上昇と、約10年ぶりに大幅な伸びを記録した。これを受けて、ECB理事会メンバーでもあるワイトマン・ドイツ連銀総裁は先週、このところ物価を押し上げている要因が一時的なものではなく持続的なものになる可能性があることに警戒感を示した。同総裁は、ユーロ圏のインフレ率がECB予想を上回っていくリスクを指摘しており、一時的な要因がインフレ期待の上昇と賃金の上昇に結び付いた場合、域内のインフレ率は長期的に上向く可能性があると述べた。そして、ユーロ圏経済が回復にあり、インフレ率が上向く中で、ECBは現在実施しているパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の終了に向けて、準備を始める必要があるとも語った。米FRB内部でも、同様な主張をする高官は出てきているが、ECBでも、インフレに警戒する委員の割合は増えていく可能性は高まろう。

筆者は、9月のECB理事会では、PEPPの段階的な縮小までは、議論を尽くせず決めきれないと考えている。しかし、今後、そうした議論の開始したことが金利をゆっくりと押上げることになると予想している。

グリーンボンドには旺盛な需要

なお、昨日のマーケットでは、スペインで初めてグリーン債が発行されたことに注目が集まった。このグリーン債は期間20年、発行予定額は50億ユーロで計画通り発行され、応募額は600億ユーロと12倍にも達し、発行利回りは、2040年10月に満期を迎える国債利回りに0.06%上乗せした水準となる見通しとのこと。グリーン債の人気ぶりを示しているといえるだろう。これも今後の欧米市場での大きなテーマ・流行となるだろう。