先進国市場

米国雇用統計は、雇用市場の着実な改善を示唆

7月2日に発表された雇用統計(6月)は着実な改善

米国労働省が7月2日に発表した雇用統計(6月)では、非農業部門雇用者数は前月比85万人増で、前月の58.3万人増(速報値55.9万人増から上方修正)を上回った。失業率は5.9%に上昇し、改善するとの事前予想に反して前月5.8%から増加した。労働参加率は前月比変わらずだった。平均時給は前月比0.3%増加だった。

非農業部門雇用者数は増加幅が拡大し、10カ月ぶりの大幅増加となった。経済活動が広範に拡大し、企業は人材採用・確保に動いていることが示された。ただ、雇用者数は、コロナ禍前の水準からは、依然670万人ほど下回った水準にあり、雇用市場の完全回復には、まだ時間を要すると言わざるを得ないことも確かである。

雇用統計からは、雇用市場が改善を続けていることが示されたものの、過熱しているわけではなく、すぐにインフレ率の上昇に繋がるような兆候は見られない。市場は、FRBが超金融緩和からの出口戦略を議論するものの、金融政策を実際に引き締める段階に至るには、まだまだ時間がかかるとの見方を強めた。

そのため、米国債は長期債を中心に上昇、10年米国債利回りは1.42%に低下した。為替市場では、米ドル金利の低下から米ドルが主要通貨に対して反落した。株式市場では、このままの「ぬるま湯相場(ゴルディロックスシナリオ)」が続くとの期待から買い注文が増え、S&P500指数は最高値を更新し、終値ベースでも、7日連続の高値更新となった。

 

筆者の見方は?

筆者は、雇用市場の回復は比較的順調に進んでいると解釈している。失業率が高まった理由は、より多くの人が労働に復帰しようと動き始めたからであり、今後、雇用者数の増加ピッチは加速すると予想している。現在は、これまで、需要の回復を受けて製造業での雇用者数増加が目立ったが、こうした動きがサービス業での雇用の拡大に移行している段階である。夏休み明けには、サービス業、特に外食や観光といった業種での雇用増加が期待できる。

その場合、どのくらい賃金の上昇が伴うかというあたりが注目されるだろう。

今週は、議事録が公開される。どのように出口戦略の議論を始めたのか、押さえておきたい。