代替資産(金や暗号通貨)

米国の暗号通貨へのアプローチは、中国とは全く異なることを確認

注目される米国金融当局者の発言

ゲンスラー米証券取引委員会(SEC)委員長は10月5日、下院公聴会で暗号通貨について、中国が採ったような禁止措置を講じるかとの、共和党議員の質問に対し、「米国SECの暗号通貨へのアプローチは、中国とは全く異なる」と答え、禁止する場合でも議会が法制化する必要があるだろうと語った。
ゲンスラー委員長は、暗号通貨業界が投資家や消費者の保護、マネーロンダリング対策、税法など法令遵守のルールをしっかりと構築することが、政府の重視している点だと説明した。
これに先立つ、9月30日の議会証言でも、パウエルFRB議長が、暗号資産を正面から禁止する「意向はない」と明言しており、ゲンスラーSEC委員長の証言は注目されていた。
今年に入って、暗号通貨取引に対する厳しい姿勢をより強めてきた中国金融当局は9月に、中国国内でのマイニング行為を一切禁止し、市中銀行にも顧客との暗号通貨に関する取引を拒否するよう包括的な通達を出した。中国金融当局が、暗号通貨に関連する取引を一切禁止したことに対して、米国金融当局は、暗号通貨取引を禁止する意向はなく、公正に取引が行われるようなルール作りと健全な市場基盤の整備、正確な情報開示等の顧客保護措置が採らられば、異を唱えないとの見解を明確にした。こうした異なる2つのアプローチは、まだ暗号通貨が安定した存在ではないことを示すが、それでも、市場が拡大していくことの妨げにはならないだろう。
他に、今週の動きで他に注目されるものとしては、10月4日に、大手米銀のバンク・オブ・アメリカが、「機関投資家の関心」の高まりやリテール顧客からの投資意欲に応えるとして、リサーチ対象に暗号資産(仮想通貨)とデジタル資産を加えたと発表したことである。同行は、法人の決算報告で暗号通貨に言及した企業の数は昨年17社だったが、今年第2四半期では約147社に増加したことなどを例に、デジタル資産が新たな機会を創り出していることを説明した。かねてより指摘していることだが、暗号通貨市場参加者は北米地域で増えていること、法人や機関投資家がデジタル資産を一部保有することに関心が高まってきていることは、暗号資産の市場拡大と価格の安定をもたらすのではないか。

変動率は相変わらずだが相場は反騰

暗号通貨は、9月24日に中国金融当局が暗号通貨取引に関連する行為を一切禁止するとの通達を受けて、大幅に価格を下げて取引されていたが、10月に入って、大幅に反発していた。これに、パウエル議長やゲンスラー委員長発言が好感されてフォローの材料として加わり、一段高となった。
ビットコイン(BTC)は、9月29日には、一時41,000ドルちょうど近辺まで売り込まれたが、30日以降は反騰し、6日には55,000ドル台まで上昇した。イーサも、29日には2,800ドル近辺まで値を下げたが、6日には3,600ドルまで上昇した。
相変わらずの変動率の高さは、取組みにくさにつながっているが、これまで同様に、下がれば買いで相場に入るスタンスを維持したいと考えている。北米市場での参加者の変化やユーティリティ性の向上は続いており、暗号通貨市場の拡大傾向は続くと見ている。