市場予想

米国消費者信頼感は大幅に改善。景気拡大は急ピッチ。

米国消費者信頼感は、大幅に改善。景気拡大は急ピッチ。

米国調査会社コンファレンスボードが6月29日に発表した消費者信頼感指数(6月)は、127.3と大幅に上昇した。前月5月も速報値117.2から120.0に上方修正されたが、それからも7ポイント上昇となった。昨年春に、新型コロナウイルスが世界的に流行して以来、最も高い水準である。

現況指数は157.7に上昇し、コロナ禍以降で最高を水準を記録した。期待指数も107に上昇した。雇用については、仕事が豊富にあるとの回答比率は54.4%と21年ぶりの高い水準だった。同比率から仕事探しが困難との回答比率を差し引いて算出する指標も、2000年以来の大幅な差となり、雇用市場にも景気回復の効果が波及してきていることを示唆するデータである。

ワクチン接種の進展により、カリフォルニア州やニューヨーク州など、人口の多い州で経済再開が本格化したことが色濃く反映されており、景気や雇用の先行きに対する楽観も強まっていることが示された。夏休みなどの休暇を計画する動きは、既に活発になってきているが、消費者信頼感の一段の上昇は、サービス業での消費支出がますます増加することに繋がるだろう。生産統計では、製造業の活況が既に確認されているが、サービス業でも、需要増加の恩恵を受けることになると、米国経済の成長はよりしっかりしたものになる。このあたりは、6月のFOMCで示された経済見通しに整合的であり、年間の成長率が7%に達する可能性は高まるだろう。

価格上昇は続く公算大

今後1年のインフレ期待は上昇している。一部では生産段階での価格の上昇分が消費者にも転嫁される動きが出ているが、住宅や自動車、大型家電のいずれでも、購入予定があるとの回答比率が上昇しており、今のところ、価格の上昇は消費者信頼感やそれらの購入計画にほとんど影響を与えていない。

住宅価格については、上昇が続いており、上昇率も加速している。同じく29日に発表されたケース・シラー住宅価格指数(5月)が、前年同月比で14.6%上昇となった。11カ月連続で伸びが前月を上回り続けている。また、14.6%の伸びは、1988年の調査開始以降で最大の伸び率である。全米主要20都市の住宅価格指数も前年同月比で14.9%上昇した。こちらも2005年以来の大幅な伸びである。連邦住宅金融局が発表した住宅価格指数(4月)は前月比で1.8%上昇した。前年同月比では15.7%上昇だった

注目は、デルタ変異株の影響と、米国の雇用市場

今後は、感染力が従来の新型コロナウイルスよりも強いとされる「デルタ変異株」の感染拡大による影響がポイントとなろう。アジアでも、インドネシアでは感染が急拡大して状況が悪化しているほか、マレーシアは行動制限措置を延長、タイは夏からは解除の方針を政府がいったん発表したものの、すぐに方向転換し、感染拡大抑制策を発表した。夏場の観光すーずんに向けて実質ワクチンパスポート策を採る欧州でも、スペインとポルトガルがワクチン接種を受けていない英国からの旅行者に対する制限に踏み切った。ドイツも制限策導入を検討しているようである。

ただ、アメリカは、独立記念日までに全米で少なくとも1回の接種を受けた成人接種比率を70%とする目標には、わずかに達しない公算であるものの、70%に近い水準の接種率になる見通しで、それをどう見るかである。消費者信頼感の改善を見ると、FOMCが新型コロナウイルスをリスクファクターから除外したことと、整合性はある。今回の統計のように、雇用市場の改善に弾みがつくかどうかである。

米国雇用統計は7月2日(金曜日)に発表される。