資産運用

具体的な分散投資の始め方

具体的に分散投資を始めるにあたり、今回は実際に投資を始めることをシミュレーションしてみましょう。

投資対象となる金融資産は、株、債券、他には不動産やコモディティ(貴金属や穀物、エネルギーなど)があります。

 

しかし、一口に株や債券といっても、発行している会社や地域・国によってリスクやリターン(利回り)が異なります。例えば、債券といっても、先進国債券(アメリカや欧州など)と新興国債券(アジアの国など)ではリスク・リターンが随分と異なるのです。

株式は債券よりもリスクとリターンが高い投資対象です。債券と比べると価格変動のリスクが高く、値動きも大きいのが特徴です。また新興国株式は、一般的に、先進国株式よりも値動きが大きくなります。新興国では、国家の政策や市場の環境が激変する可能性もある上、国そのもののリスクがあり、また相対的に小さい経済規模であることも変動幅を大きくする理由です。しかし、アジアの国は成長率が、相対的に高いことを背景に、リーマンショック以降の株式の上昇率は、高くなっています。従って、株や債券への分散に加えて、先進国と新興国に分け、特にアジアを含めることも意識して分散投資することで、リスクはより小さく、期待リターンは高まるように投資していくとよいでしょう。

株式や債券を買うのは、実は少し骨が折れます。何を買ったらいいか、銘柄が多すぎるのです。そんな方には、ファンド(投資信託)をお勧めします。ファンドは、プロのファンドマネージャーにお金を預けて、先進国の株式や債券といった括りで、特定の種類のものだけに投資し、そのリターンを分配する仕組みです。もちろん、ファンドマネージャーに払う報酬はかかりますが、それも、あらかじめ何%と決められています。従って、先進国株式、アジア株式、先進国債券、アジア債券に集中して投資するファンドに、分散投資をすれば、これで初期のポートフォリオは概ね出来上がります。

異なる価格の動きを性格上持つものを組み合わせることは、変動(特に価格のダウンサイド)に対する耐性を高めます。実は、不動産も、株や債券とは異なる動きをする投資対象です。不動産は、世界の景気循環にはある程度リンクしますし、循環的な動きはありますが、不動産市場の好不況によりリスク・リターンが変動します。質の高い不動産は、長期的には安定的に上昇傾向にあります。更に、貴金属やエネルギー、農産物といったコモディティも、それらへの需給によって価格変動が起こります。投資に慣れてきたら、こういった投資対象も検討し、分散投資の対象に入れていくことも、視野に入れてください。

 

 

誰に相談するか、誰から購入するかはとても大切です

 

お金の管理や投資教育について、日本では積極的でないことがかなり影響しているのですが、お金や金融に関して、知識や経験を持つ方は多いとは言えません。そして、多くの方が知識や経験が不足している中で、「何処で、誰に相談したらいいかわからない」という悩みを抱えていらっしゃる方は多いと思います。一方で、金融に携わる人といっても、玉石混合さまざまな人がいることも事実で注意が必要です。

ひとつの尺度として、「資格」を参考にするということはできます。金融業には必ず、ライセンス(資格)が必要とされます。

例えば、証券業務に関連しては、香港では、証券の売り買いだけでなく、アドバイス、資産運用、格付けなどの関連の業務を行う金融機関等は、香港政府の独立機関であるSFC(Securities & Futures Commission)から資格を取得することが義務付けられています。SFCのRegulated Activityは9種類に分かれており、各業務ごとに登録を受ける必要があります。また、金融機関に勤務して営業活動に従事する者は、該当する業務に必要な資格を、SFCの資格試験を運営するHKSI(Hong Kong Securities and Investment Institute)の資格試験に合格した上で取得し、所属するHKMAまたはSFCに認定金融機関等を通して登録をすることが義務付けられています。つまり、証券の販売や相談業務に携わる金融機関等と個人の両方に登録制度があるのです。登録番号は、顧客に開示しなければなりません。必要を感じたら、顧客は、HKMAまたはSFCのウエブサイトで、金融機関も個人も資格を検索して確認することができます。

お金に関して、話を聞いたり相談する前に、そんな点にも是非、注意をしてみてください。