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スコットランド独立の動き

英国地方議会選挙が5月6日に投票が行われた。今回の地方選挙は、英国が欧州連合(EU)から離脱したいわゆるブレグジット(Brexit)後、そして新型コロナウイルスによるパンデミック後で初めての地方選挙ということで注目されていた。そして、この中で、最も注目を集めたのは英国北部スコットランドの議会選である。定数129議席が争われ、開票の結果は、英国からの独立を主張するスコットランド民族党(SNP)が64議席を獲得した。単独過半数には1議席足りなかったものの、同じく独立を訴える緑の党が8議席を獲得したため、合わせると過半数の議席を確保した。

 

今回の選挙により、独立派が多数を占めたスコットランド議会は、スコットランドが英国から独立する賛否を住民に問う住民投票の実施に向け、動き出すことになろう。スタージョンSNP党首(スコットランド行政府首相)も、勝利宣言の中で、住民投票の実施に触れた。しかしジョンソン英首相は、機先を制して5月8日付の英紙のインタビューで、SNPがスコットランド議会で過半数を確保したとしても、住民投票の実施を認めないと述べた。今後、スコットランド独立の是非を問う住民投票の実施を巡って、スコットランド政府と英国政府との対立がエスカレートするだろう。

 

 

ブレグジットを決める2016年の住民投票で、英国全体の投票結果により、EUからの離脱が決まったが、スコットランドの投票だけを数えると離脱の支持は多数ではなかった。スコットランドは、EUにとどまるべきだったというわけで、ブレクジットが、スコットランドの意思に反して起きたということが、こじれる原因になっている。昨年末に英国と欧州連合(EU)が英EU離脱(ブレグジット、Brexit)後の貿易協定交渉で難航した協議の末に合意にこぎつけた際にも、スタージョン首相は、スコットランドは「独立した欧州国家」になる時が来たとコメントしていた。

 

 

スコットランドが独立を求める法的な手続きは定められていない。スタージョン首相は、住民投票法案の内容を既に公表しており、スコットランド住民が未来を選ぶ権利の妨害を正当化する民主的な理由は全く存在しないとして、ジョンソン首相がスコットランド議会での法制化を阻止しようとすれば、英国最高裁に提訴する構えを見せている。

 

果たして、スコットランドが、独立した欧州国家となるのか、注目される。