アジア市場

香港「北部都会区」を開発へ

7日の香港株式市場は反発

香港株式市場は10月7日、反発し上昇、過去10週間で最大の上昇率(1日あたり)となった。ハンセン指数終値は前日比3.07%高い24,701.73と、終値ベースで約3週間ぶりの高値に上昇した。中国株式市場は祝日のため休場だったが、ハンセン中国企業株指数(H株指数)終値は3.5%高の8,713.05で引けた。
6日の米国株式市場で、ハイテク銘柄が値を上げた流れを引き継いだ他、米中首脳会談が年内にオンラインで実施されるとの報道や、アリババグループ大株主の自社株買いとのニュースも支援材料となりハイテク銘柄が買われた。金融株も上昇し、金融株指数は前日比1.78%高だった。
また、前日6日の林鄭月娥・香港行政長官の施政方針演説で、大規模な不動産開発を推進すると発表したことを材料に、香港の不動産業者株が上昇した。恒基兆業地産(ヘンダーソン・ランド)は、前日比7.1%上昇した他、新鴻基地産発展、新世界発展、長江実業集団、恒隆地産も軒並み2~3%高となった。

 

「北部都会区」開発へ

株価の方向感はまだ定まっているとは言い難いが、香港の経済的な発展に向けての施策が、行政長官の施政方針演説に含めれていたことは注目すべきだろう。林鄭月娥・香港行政長官が就任以来、社会的な最重要課題と位置づけてきたことに、住宅不足への対応がある。今回の施政方針演説には、「北部都会区」を開発することが打ち出された。これは、香港北部の深センと隣り合う300平方キロメートルの土地を改良して新都市を建設し、住宅92.6万戸、約250万人が居住する街を開発する計画である。現在の香港の人口は約750万人である。どれほど大きな規模かを理解いただけるだろう。「北部都会区」は、中長期的な土地不足を解消することにも役立てる他、国際的なイノベーション・テクノロジーハブとしてフィンテックなどを強力に推進、50万人以上の雇用を創出して、国際金融センターとしての香港の役割を強化するという。そして、広東省とも連携して、グレーターベイエリア(GBA)の開発と連携を促進するという。
香港では、住宅が高価過ぎて一般庶民には手が出ない価格になっていることが、社会問題とされてきた。持てる者と持たざる者の格差は拡大し、不満は増幅していた。そうした不満が噴出する形で、2019年の大規模な反政府抗議活動につながったとも考えられてきた。
新型コロナウイルスの封じ込めを徹底するため、経済を犠牲にしてきた香港だが、今後は、経済発展に舵を切ることになるだろう。木を見て森を見ない日本のメディアでは取り上げられていないことは実に残念である。