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ECBは新たなフォーワードガイダンスへ

ECBは新たなフォーワードガイダンスへ

ECBは7月22日の理事会で、金融緩和に関して、新たな指針を決定した。物価目標を達成するために、金融緩和政策を維持し、物価の一時的な上振れを容認しながら、低金利をさらに長期間継続するとの「フォワードガイダンス」を決定した。パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)については、1.85兆ユーロの規模を少なくとも2022年3月末まで継続する。

ラガルドECB総裁は、現在、統計に表れているインフレ率の上昇は、一過性のものと想定され、中期的なインフレ率の動向は、抑制されていると述べた。ここでいうところの、ECBの長期間とは、5-6年という期間を意味すると市場は受け止めており、5-6年もの期間、利上げを実施しないという言質は、かなり奇異に映る。

しかし、ウンシュ・ベルギー中銀総裁(ECB理事)は、翌23日、ECBのこの新たな「フォワードガイダンス」には反対する姿勢を表明し、PEPPも予見不能な事態が発生しない限り、来年3月に終了させるべきであると考えを述べた。ウンシュ氏は、理事会でも、反対したことを明らかにしている。ウンシュ氏は、ECBがこれほどの長期間にわたって、金融緩和政策にコミットメントを示すことには、かなりの違和感を覚えるとし、向こう数年にわたりECB自身の手を縛ることは、いざというときに手遅れになる可能性がある懸念を持っているという。PEPPについても、次回9月9日の理事会で、討議を開始する必要があると指摘した。

市場では、ユーロ圏のインフレ率は、米国のインフレ率を当面下回る状態が続くとの見方が多い。そうなると、米FRBはECBよりも、早い時期に金融緩和策の縮小に着手する可能性が高いということになる。そのため、為替相場では、ドル買い・ユーロ売りの材料とされている。