資産運用

景気循環と資産運用について分かりやすく説明します

 

毎年相場の変動が激しくなると、2008年のリーマンショックから10年間以上続いてきた景気拡大局面が終わりを迎えるのではないかという懸念が市場では広がっています。1929年以来、米国経済の拡大局面は10年以上続いたことがありません。米国の中央銀行であるFRBが金利を断続的に引き上げてきたこともあり、好調を続けてきた米国経済の景気拡大もそろそろ終わりなのではないかという心配が強まっているのです。

 

 

背景には、景気の循環性があります。景気は『好況→後退→不況→回復』という順に状況が変化し、循環していきます。『好況』とは景気が拡大しているときの状況で、市場規模も拡大し、企業の活動や投資は活発化します。所得も上昇する傾向にあり、消費も拡大する時期なのですが、いつまでも好況が続くわけではなく、やがて、景気の拡大が止まって『後退』の時期がきます。そして後退が進むと、企業の中には倒産や規模縮小など、様々な経済面での調整・整理が起こり、『不況』の時期がやってきます。季節に例えれば冬の時期です。しかし、調整が終わると、また経済活動が活発になり始め、『回復』の時期がやってきます。そうしてまた『好況』に繋がっていくのです。景気には、時間の長さはそれぞれ異なりますが、一定のサイクルがあるのです。

 

 

そして、景気は市場の動きに影響を与えます。『好況』の時期には、株価や資産価格が上昇する傾向にあります。しかし、後退期から不況期には、株価は調整(下落)する傾向にあります。景気の拡大も行き過ぎると『バブル』と呼ばれるような株価や資産価格の急騰が起こり、その後で、急落が発生したりすることもあります。バブル(泡)がはじけるように資産が減ったり無くなってしまう『バブルの崩壊』といわれる現象です。資産運用は、そんな市場の急激な動きから振り落とされずについていくことが、難しさの一つだと思います。

 

また、株価などの資産の変動(振れ)は、その平均値を取って年率(%)で表示されます(変動率)。この変動が激しいと、市場が見通しにくく、資産運用にも工夫が必要になります。 景気が拡大している好況期には、株価や資産価格が全体として上昇する傾向にあり、買って持っておけば利益を上げることは比較的容易です。しかし、後退期から不況期は、株価が上がりにくいばかりか下落する銘柄も出てきます。そのため、安定した銘柄や下がりにくい銘柄を選ぶことが重要になってきます。

 

 

それには情報集めが重要になります。会社や業界の特徴、景気後退期の銘柄の特徴、等を踏まえて投資判断をしなければなりません。一方で、株価や資産価格が調整されたり下落するということは、安く買える機会と捉えることもできます。前回書いたように、景気循環は比較的長期では確実に見られますので、長期投資の視点に立てば、その会社が破たんなどしなければ株価が上昇することが期待できます。また、規制緩和など社会的なルールの変更や他社の買収によって会社が業績を大幅に伸ばす機会も増えることがあります。

 

 

また、景気成熟期から後退期には、金利が下がる傾向にあります。この時期、債券は価格が上昇することになります。利付債ならその保有者に年間で支払われる利払い(クーポン)額は一定です。債券の発行体(国債ならば国、社債ならば会社)が破たんしなければ、確実に一定期間ごとに利払いを得られる他、債券の額面にあたるお金は満期になると償還払い戻しされます。例えば香港市場には米ドル建ての、アジアの国々や中東の産油国などの国債や、有名企業の社債もあります。

株式運用に固執せず、債券でお金を運用するという発想も検討に値するのです。見通しが悪いから何もしないのではなく、長期の時間軸で投資を考えましょう。アジア債券などを含む海外市場には、いくつかの債券を組み合わせたファンドもあり、個人でも手頃に買うことができるチャンスがあります。海外居住している人達のメリットはここでも生かされます。まずは勉強し、正しい知識を身に付けましょう。