先進国市場

米消費者信頼感指数(5月)

今週の米国経済指標は、FRBの見方を補強するものとの解釈

米国・民間調査機関のコンファレンスボードが5月25日に発表した消費者信頼感指数(5月)は、117.2だった。4月は速報値121.7から117.5に下方修正された上に、5月が微減となる今年初めての低下で、一部で過熱感を懸念していた、市場参加者には安心感を与えるものだっただろう。ただ、117.2という数字は大変高い水準である。現況指数は144.3に上昇し、これは2020年1月以降で最高水準である。一方で、期待指数は99.1に低下し、3カ月ぶりの水準となった。将来の雇用や所得見通しに対する消費者の信頼感は楽観度合いが弱まったといえる。

経済回復は持続的に続いており、新型コロナウイルスの感染が拡大する前の水準まで回復してきている。2021年第2四半期中は、米国経済が引き続き堅調に成長を維持することを現況指数は示唆する。一方で、物価が上昇していることや、失業率が戻り歩調を弱めて、雇用市場の先行き見通しがそれほど明るくないことが、消費者心理の改善の障害となっていると言えるだろう。向こう1年のインフレ見通しはわずかに上昇した。今後半年間に車を購入する予定との回答比率は低下した。住宅や大型家電についても同様に、購入予定との回答は低下した。

住宅や自動車の価格高騰は急ピッチ

住宅や自動車の価格高騰は、やや異常ともいえるピッチである。連邦住宅金融局(FHFA)が発表したデータでは、住宅価格指数(3月)は前月比で1.4%上昇した。前年同月比ではなんと13.9%に達する上昇となる。ケース・シラーの発表によると、全米主要20都市の住宅価格指数(3月)はやはり、前年同月比で13.3%上昇したという。全米ベースでも前年比で13.2%も上昇した。新築一戸建て住宅販売は、4月の数字だが、前月比5.9%減の86.3万戸だった。3月の販売件数も速報値102.1万戸から91.7万戸に下方修正された。価格の高騰で、住宅をおいそれと購入することが難しくなってきていることがわかる。

自動車に関しても、以前書いた通り、基幹部品である半導体生産が追い付いていないために、新車の生産台数が需要に追い付かない状況が続いている。このため、新車市場から、はじき出された需要が中古車市場に波及し、中古車価格は年間で50%程度上昇している。こちらも、価格が高騰することで、販売数量に陰りがみられる。

市場はリスクオフ復活だが、短期的か

FRB高官がいうところの、物価の上昇は一時的で、やがて落ち着くとの見方が、指示されるようなデータであり、このところ米ドル金利は落ち着いて動きを見せている。1.70%水準に近付くことはあったが、25日は1.57%と1.60%も割り込んできている。そのため、株式相場でも、インフレ懸念を嫌気して軟調に推移してきたデジタル銘柄を中心に活気が戻ってきている。米国株式が息を吹き返したことで、日本株も26日で5日連続の上昇、中国株も3日続伸で、3カ月ぶりの高値を付けた。人民元も小幅ながら上昇し、全体としてリスク選好度が回復している。
ただ、インフレ率の上昇が一時的に終わるかどうかは、まだ判断を下す段階にはないとみるべきだろう。これまで買い控えられた需要は潜在的に蓄積しているし、貯蓄率も高い。消費者心理は、一時軟化したとはいえ、高水準であることに、引き続き警戒が必要だと筆者は受け止めている。