全通貨金利上昇の中、円安圧力強まる
3月27日のNY時間の取引で、日本円は対ドルで160円40銭台に下落し、2024年7月以来の円安水準をつけた。背景には、原油価格の上昇により、インフレ懸念の増大から、全通貨で金利が上昇、上昇余地の大きい米ドルなどは買われ、貿易収支が悪化する可能性も意識される日本円に対しては、売り圧力が増大したことがある。
日本政府・日銀は 2024年7月に160円前後の水準で円買い・ドル売り介入を実施しており、今回も対応に注目が集まるだろう。160円は、市場参加者の心理にも予想レンジの上値という象徴な水準である。片山財務相は、「石油関連の事象に引きずられた投機的な動き」をけん制し、「断固とした措置も含め対応」すると述べ、介入辞さずの姿勢を再確認した。口先介入・実弾介入両面で、為替介入リスクが高まることになる。
円安の国内経済への影響は大きい。円安進行は、輸入物価の上昇を通じて、国内のインフレ圧力を増大させる。高市政権は物価対策を急ぐが、効果は見えておらず、物価動向は政権の支持率にも影響し得る。しかし、円安抑制の効果的な手段は、円買い介入と日銀による追加利上げくらいしか見当たらない。日本経済の低成長見通しの中、日銀によるマイナス金利解除後の追加利上げペースは、非常に緩やかで慎重なものにならざるを得ない。通貨安インフレの圧力を阻止するために、日銀がタカ派化する可能性にも注目は集まるだろう。