香港・中国市場Dairy ~ 今夜に米CPI発表を控え、株式市場は様子見ムード強まる
ハンセン指数 19,596.20 pt (+0.68%)
中国本土株指数 6,654.85 pt (+0.40%)
レッドチップ指数 3,657.93 pt (▲0.16%)
売買代金1,240億9百万HK$(前日1,587億5万HK$)
香港政府が感染対策緩和を発表
香港政府は海外からの入境時に課していた検疫制限を、14日から実質的に廃止する方針を発表した。従来、中国本土や海外からの入境者が、レストランやバーなどを利用する場合、入境後3日間は制限を課せられていたが、14日以降は、入境した後、すぐに利用することが可能となった。
また、本土で感染抑制対策の一環として導入されていた個人の移動履歴を記録する「行程コード」アプリが廃止されたことに続き、香港でも同様の行動追跡アプリの使用義務を廃止すると発表した。また、中国と香港間の往来も、広東省衛生健康委員会が来年1月上旬に隔離なしの往来を許容すると報じられ、ボーダー再開への期待が高まった。
新型コロナウイルスを徹底的に抑え込むよう、強い行動制限を課してきた政府だが、このところ急ピッチで緩和策を発表してきた。しかし、感染者数が再び増加するなど状況は楽観視できない。当局が発表する感染者数は減少しているものの、発熱外来には大勢の患者が押し寄せており、感染の拡大に歯止めがかかっていないことが懸念されている。首都北京市だけでも、受診した患者は11日だけで1週間前の16倍にあたる22,000人に上ったとも報じられている。規制緩和が感染者の急増につながる可能性も一部で指摘されており、経済の本格再開を見越した上昇トレンドが一服するとみる向きもある。
今夜のインフレ統計を前に様子見ムード
市場が関心を寄せる11月の消費者物価指数を控え、ポジションの取りづらい状況が続いている。13日の香港市場はハンセン指数が一進一退の動き。更なる経済活動正常化に向けた動きが支援されるも、前日比0.68%高と小幅高で引けた。
経済再開期待からリオープン銘柄が買われ、カジノ関連株が上昇。カジノ運営サービスのマカオ・レジェンド(1680)は6.3%高、大手カジノの金沙中国(1928)は4.3%高、MGMチャイナ(2282)は3.5%高と反発した。香港の経済再開から香港のバス運営会社の冠忠巴士(0306)は13.9%高、香港の外食関連や小売店販売が物色された。
中国半導体関連株も大幅高。中国政府は国内半導体産業を支援するため期間5年間で約1兆元を超える規模の対策を計画していると報じられた。10月初めには、バイデン政権が半導体製造装置の対中輸出規制の適用対象を大幅に拡大する包括的措置を発表していた。今回の措置は、米国に対抗し、中国内半導体産業の発展を促す狙いがあるとみられる。半導体ファウンドリーの華虹半導体(1347)は17.4%高、半導体製造のSMIC(0981)は9.7%高と上げ幅が目立った。
一方、医薬品需要を受けて大きく買われていたオンライン医療サービスが下落。平安健康医療科技(1833)は8.0%安、阿里健康 (0241) は4.5%安、医薬品の製造・販売の石薬集団(1093)は4.3%安だった。
中国本土株市場は上海総合指数は前日比0.09%安の3,176.33、CSI300は同0.20%安の3,945.68で引けた。今週15日には、経済政策方針を決める中央経済工作会議を控える。経済のテコ入れ期待は高まる一方、重要イベント通過前から様子見の姿勢が強かった。