香港・中国市場Dairy ~ 政策期待の買いで香港市場は大幅高、相次ぐ不動産への支援策がサポート
ハンセン指数 18,204.68 pt (+5.24%)
中国本土株指数 6,236.72 pt (+6.20%)
レッドチップ指数 3,593.07 pt (+3.52%)
売買代金1,667億6百万HK$(前日1,182億9万HK$)
中国本土では、2020年にパンデック始まって以来、最悪の感染状況となり、新規感染者数の増加に歯止めが効かない状態が続いている。28日の新規陽性者(無症状者含む)は前日に記録した過去最多からは減少したものの、依然として高い水準にある。今回の感染者急増により、新型コロナウイルス抑制には、何が有効な手段なのか、はっきりとさせられないことが事態を難しくしている。主要都市では、週末から抗議デモが発生したほか、世界各地でも中国政府の対応への批判が出る前代未聞の事態となった。
一連の抗議行動を受け中国国家衛生健康委員会と関係団体は29日午後に新型コロナウイルス予防・管理の措置の実施について記者会見を開催した。中国内各地で新型コロナウイルスの防疫対策に対する市民の不満が高まっている状況について、地方政府の独断的な規制による見解を示した。
今後はより市民の訴えを聞き取り対応を進める方針を示し問題解決に取り組むほか、都市規制によって中国の生産活動に影響が出ることも懸念を示した。また新型コロナウイルス抑制策は柔軟に調整することを強調し、中国国民の生活向上を考慮するなど制限緩和につながる期待も高まった。
ハンセン指数は大幅高
29日の香港市場は中国当局による追加経済対策の動きが改めて材料視された。中国証券監督管理委員会は29日、不動産企業によるエクイティファイナンス再開など5項目の措置を発表した。措置には上場企業の買収・再編に伴う増資や第三者割当増資、海外上場に関する政策を調整したほか、私募エクイティ投資ファンドの役割を強化などの内容が含まれる。調達資金は不動産デベロッパーの資金繰りで中断した物件の確保や債務返済などに用いられる。5つの措置は即日施行された。
一連の報道によると、不動産デベロッパーの資金繰り支援策が相次いで発表されたことが好感された。ハンセン指数は朝方、高く寄り付いた後、終日上げ幅を広げた。中国当局がコロナ政策に対して何らかの緩和に動くとの思惑も高まり指数は大引けにかけて一段高、前日比5.24%の日中高値で引けた。
前述した不動産株が大幅高。不動産株で構成されるハンセン不動産指数は前日比8.06%高となった。不動産管理サービスの碧桂園服務(6098)は13.7%高、龍湖集団(0960)は11.3%高、華潤置地(1109)は7.7%高だった。
ハイテク株で構成されるハンセンテック指数は同7.66%高となった。高性能データセンター開発の万国数拠(9698)は18.0%高、インターネット保険の衆安在線財産保険(6060)は14.0%高、動画配信のビリビリ(9626)は13.6%高、自動車メーカーの理想汽車(2015)は13.0%高だった。
主要銘柄も全面高となり、保険大手の中国平安保険(2318)は12.9%高、フードデリバリーの美団(3690)は11.5%高、Eコマースの京東集団(9618)は10.9%高、アリババ(9988)は9.1%高だった。
中国本土株市場は上海総合指数は前日比2.31%高の3,149.75、CSI300は同3.09%高の3,848.42で引けた。政策期待の買いで不動産セクターや金融株を中心に幅広い銘柄が買い優勢となった。