香港・中国市場Dairy ~ 中国で再び感染拡大。リスクオフから中国・香港市場は大幅安
ハンセン指数 21,124.20 pt (▲2.77%)
中国本土株指数 7,320.91 pt (▲3.06%)
レッドチップ指数 3,859.60 pt (▲1.93%)
売買代金1,194億6百万HK$(前日1,058億5百万HK$)
先週発表された6月の米雇用統計は予想よりも堅調だったことで、米経済に対する景気後退がさし迫っているとの懸念が幾分和らいだ。米10年債金利は再び3.1%台まで上昇し、7月のFOMCでも積極的な利上げを続けるという見方から、週初のアジア株式市場は上値が重い展開で始まった。
香港ハンセン指数は前日比2.77%と大幅反落し、21,000ptまで下落した。中国のコロナ感染再拡大が不安視された他、先週末に発表された中国の消費者物価指数が予想以上に上昇したこともネガティブに働いた。
マカオのカジノ封鎖を受けカジノ株が急落。サンズ・チャイナ(1928)は前日比8%安、銀河娯楽(0027)は同5%下落した。旅行関連株や外食関連も急落。Trip.com(9961)は同6%安、中国国際航空(0753)は同5%安、中国南方航空(1055)は同4%安となった。
不動産株も大幅下落し、不動産管理サービスの碧桂園服務(6098)は同12%安、中国不動産開発大手の碧桂園(2007)、不動産開発の龍湖集團(0960)はそろって同7%安となった。主力銘柄ではEコマースのアリババ(9988)は同6%近く売られ、美団(3690)は同5%強安、テンセントは(0700)は同3%近く売られた。
中国本土市場でも上海総合指数は前日比1.3%安の3,313.58と反落。中国国内では新型コロナウイルス感染が再び拡大していることなどを不安視され、CSI300も同1.67%安と大幅反落となった。
中国では再び感染者増
「BA.5」が検出されたことを受け、12-14日の間に先週から続いて集団検査が予定されている。同市の一日あたりの新たな感染者数は69人と5日以降、2桁台で推移し顕著に増加した。中国本土でも新たに352人の新規感染が報告され、中部の河南省沁陽市では、70万人近い住民を対象に、10日からロックダウンが実施される。外出が制限されるリスク地区については、11日までに200カ所以上に急増していて、再び事実上のロックダウンになるのではとの懸念が高まっている。
隣接するマカオでは新型コロナウイルスの感染拡大を抑制するため、2年ぶりに全てのカジノを閉鎖し、事実上のロックダウン入りとなった。マカオにある30以上のカジノを含めたほぼすべての商業・工業施設が1週間閉鎖され、自宅待機が指示されている。引き続き厳しい規制が敷かれる事実上のロックダウンは中国経済の先行き不透明感が残る。
中国CPI(6月)は上昇
週末、中国国家統計局が発表した6月の消費者物価指数は、前年同月比2.5%上昇し、前月から横ばいと2020年7月以来、1年11か月ぶりの水準を記録した。燃料などエネルギー価格の高騰が物価を押し上げたほか、豚肉価格の持ち直しが一因となった。一方、6月の工業品卸売物価指数は前年同月比6.1%上昇したが、前月からの伸びは縮小した。需要に関しては上海など一部の都市でロックダウンが解除された影響で回復傾向にはあるが、7月に入っての感染再拡大で、再び厳しい制限措置がとられる可能性があり、サービス支出を圧迫していると思われる。