EU財政相らは一斉に反発
米国のベッセント財務長官は8月31日、主要20か国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に合わせ、ロシアのアントン・シルアノフ財務相と会談した。一部報道によると、ベッセント長官は「ウクライナでの戦争が終わるまでは何もできない」と述べ、ロシアへの経済的支援などをめぐる何らかの合意は、ウクライナでの戦争が集結するまでは困難だとの立場を伝えた。
シルアノフ氏がG20会合に対面で出席するのは2022年2月のロシアによるウクライナ侵略後初めてである。露財務省は、両氏が金融分野やG20の枠組み内での協力について協議したと発表した。しかし、実際には、シルアノフ氏が米露双方の関心事項を議論しようとした際、ベッセント氏がこれを遮り、実質的な議論には入らなかったという。
シルアノフ氏のG20財務省会議への出席は事前に公表されておらず、ウクライナを支援する欧州各国の代表者は強く反発した。特にEU側はシルアノフ財務相を入れた形での集合写真への参加は拒否する構えを示して反発し、シルアノフ氏は写真撮影への参加を見送ったという。
ドイツのラース・クリングバイル財務相は、記者団に対して、ロシア財務相の撮影への参加を受け入れると、欧州がこれまでのロシアとの対立の立場を変えたとの間違ったシグナルを送ることになると述べた。欧州側は、戦争が続く中でロシアの参加を容認する姿勢を示すことはできないとの立場を明確にした。
今回の会談は、米国がロシアとの対話の窓口を維持しつつも、ウクライナ侵略をめぐる制裁や支援の方針では譲歩しない姿勢を示した一幕となった。