6月22日にスターマー英首相は与党・労働党の党首および首相を辞任する意向を表明した。6月18日に行われた下院補欠選挙でアンディ・バーナム前マンチェスター市長が大差で当選して国政に復帰したことで、労働党内での高い人気を持つバーナム待望論が圧倒的となり、スターマー首相は留任を断念に追い込まれた。2024年7月総選挙で、政権を奪取し首相に就任したものの、約2年で退陣することとなった。
もともと支持基盤が盤石とは言えず、不人気ぶりも目立ったが、5月に行われた主要地方議会選挙で、労働党が惨敗し、右派ポピュリスト政党などの台頭を許したことや、党内の対立が激しくなり、閣僚や政務次官が次々と辞任・離反するなど、政権の求心力は失われ、政権維持は困難になった。
英国は議院内閣制であるため、下院で単独過半数を握る労働党の新党首に選ばれた人物は、ほぼ間違いなく次期首相に就任することになる。7月16日には、労働党・党首選の候補者が出揃い、議会が夏季休会から再開する9月1日までには、新首相が誕生する見通しである。
今のところは、バーナム氏が本命視されており、他に目立った対立候補も上がっていない。議員の81名の推薦が必要となるため、立候補者がバーナム氏に一本化されれば、7月中旬に新首相が誕生する可能性もあろう。
金融市場や影響は、政局の不透明感から2025年4月以降続いていたポンド高トレンドはポンド安に転じて、ポンドが対米ドルでの年初来安値水準まで下落する場面もあった。既に、スターマー首相退陣は一定程度織り込まれており、新首相の手腕・政策に焦点が当たることになろう。