1ドル=160円を超える水準は容認できず
4月30日、片山財務相が、為替市場での投機的な動きに「最後通告」を突きつけてから数時間後、ドル円相場では、1ドル=160円後半から1ドル=155円半ばへと一時5円を超える値幅でドルが急落した。
日本政府・日銀が円買い介入を実施した模様で、介入の規模は5兆円前後と推計される。30日に介入を実施していた場合、7日の資金需給に影響するが、日銀が公表した当座預金見通しによれば、金融機関の手元資金の総量を示す日銀当座預金残高のうち、財政等要因は9.48兆円の不足となる見通しで、これは民間短資会社が予想していた財政等要因の不足額を4~4.5兆円程度と大きく乖離する。すなわち、この差である5兆円程度が、円買い介入と考えられる。
これは2022~2024年の円買い介入局面で実施された規模と肩を並べる。市場に相応のインパクトを残すものだったと考えられる。財務省は、月次の介入実績を公表しており、4月28日から5月27日分については5月29日に公表する予定である。介入を実施したことはほぼ間違いないが、答え合わせはその時まで待つことになる。
5月1日にドル円は、一時1ドル=155.49円まで下げた後、下げ幅を一部縮小し、1ドル=157円を回復した。為替市場では、介入の効果が持続するかは不透明で、ドル高の流れが変わったかどうかを見極めることは難しいとの見方が大勢であろう。歴史的に見ても、金融政策の大きな転換や利上げ、協調介入などを伴わなければ、介入の効果は一時的で、薄れやすいものである。これを意識してのことであろうが、三村財務官は外為市場で投機的な動きが続いているとの見方に変わりはないと警告を続けた。
日本の通貨当局は、2024年にもゴールデンウィーク中に為替介入を実施し、2022年と2024年はいずれも連日の介入を実施した。ドル円が再び1ドル=160円に向けて反発すれば、日本が大型連休中でも、日本の通貨当局は再び日本円を下支えるために追加介入に踏み切る可能性があるだろう。薄商いの中、介入警戒感は続くことになる。