
中国国家統計局が6月30日に発表した6月の製造業購買担当者指数(PMI)は49.7だった。事前予想の49.6および5月の実績値である49.5と比較して、小幅ながら改善が見られる数値である。製造業の新規受注指数も、3カ月ぶりに50を上回り拡大に転じた。ただ、5月に改善が見られた雇用指数は再び悪化した。
非製造業PMI(建設業およびサービス業を対象)は50.5だった。事前予想および5月の実績値だった50.3はかろうじて上回った。
国家統計局の声明では「製造業の生産活動が加速し、市場需要が改善した」として、調査対象となった21業種のうち半数以上が拡大圏内にあることが強調された。
確かに、中国製造業の活動は6月に2カ月連続で改善したものの、依然として節目である50を割る状況が続いている。米国との貿易休戦により、経済活動意欲に持ち直しが期待されたが、国内需要の低迷が景気の重しとなっている状況である。
第1四半期の経済成長を支えたのは、外需だった。経済成長に占める寄与度は約40%にも達し、低迷する国内消費を補完した。貿易交渉ですったもんだしている割には、貿易は比較的堅調に推移していることは皮肉である。内需の低迷が景気の重しとなっているため、中国は米国など貿易相手国との安定的な関係に腐心せざるを得ない。輸出の先行き不透明感を踏まえると、今後の製造業の動向は依然として、不安定感はね強いと言わざるを得ないだろう。