
消費者物価指数(CPI)は4ヶ月連続で下げ
中国国家統計局が6月9日に発表した5月の消費者物価指数(CPI)は前年比0.1%減少となり、4月と同じ幅の低下率となった。事前の予想では同0.2%の減少だったので、それほどには悪くない印象だが、5月も前年同月の水準を下回り、4カ月連続で下げが続いている。
生産者物価も落ち込み
5月の生産者物価指数(PPI)は前年同月比3.3%減少し、これで2年8カ月連続の前年割れとなった。4月と比べても生産者物価指数の落ち込みは大きい。国家統計局の統計官は、生産者物価の大幅下落について、昨年の比較基準が高かったことに加え、石油製品や化学製品の国際価格下落が要因であると説明した。また、国内市場で石炭などの原材料の在庫が積み上がったため、価格下落が起こり、それがPPIをさらに押し下げた要因であると指摘した。
大型連休も消費喚起には繋がらず
大型連休もあった4月は、旅行や帰省費用の支出が増加し、サービス業では需要が一時的に回復した。それにも関わらず、消費者物価が上向かないことは、国内需要の弱さをかえって浮き彫りにする。物価指数の停滞は、中国経済が全体として低迷していることを反映しており、特に消費者心理と国内需要の弱さが目立っている。国家統計局の報告によると、今年前半の経済活動は依然として慎重な姿勢が続いており、製造業およびサービス業の両セクターでの回復の兆しは極めて限定的である。不動産不況が長期化し、消費者の支出が抑制され、企業は価格競争に巻き込まれて設備投資に前向きになれないでいる。物価の下落圧力は、今後数カ月にわたり継続する可能性が高い。