
アルバジーニー首相が勝利宣言
5月3日オーストラリア総選挙が実施された。今回の選挙は、与党・労働党が前回3年前の総選挙で9年ぶりに政権を奪還したものの、物価高や住宅価格の高騰への対応など、経済政策への国民の不満が高まる中で行われ、米トランプ政権への対応も大きな争点となった。
アルバニージー首相率いる与党・労働党と、最大野党・自由党率いる保守連合の争いとなり、投票前の世論調査では与野党の支持率はどちらも50%近くできっ抗し、与党の政権維持が危ぶまれる中での争いとなった。
結果は、与党・労働党が議会下院の過半数を獲得する見通しで、3日夜、公共放送のABCは与党・労働党が議会下院で過半数の議席を獲得することが確実になったと報じた。アルバニージー首相は「不確実性の増しているこの世界で、オーストラリア人は支え合うというオーストラリア流のやり方で世界的な課題に向き合うことを選択した。国民は労働党が過半数を占める政府を選んだ」と述べて、勝利宣言をした。
米国への反発強まる中、総選挙実施
オーストラリアでは、トランプ政権の一方的な関税発表を受けて、米国に対する反発が強まっている。野党自由党・保守連合は、選挙公約で、政府の効率化や公務員の削減など、トランプ政権を連想させる政策を打ち出していたこともあり、これが支持率の伸び悩みにつながったとの指摘もある。
米トランプ政権の関税賦課により、世界経済の先行きが不透明になるなか、オーストラリア経済も先行き見通し不透明になっている。パンデミック以後、伸び悩んでいるオーストラリア経済をどのように運営していくか、自国経済の強化を掲げる労働党の経済政策が注目される。