
関税の影響色濃く
アメリカの地区連銀の一つであるダラス連銀が4月28日に発表した製造業景況報告指数は、4月は▲35.8と前月の▲16.3から大きく低下した。足元の生産水準自体は緩やかな伸びが指摘された一方で、先行きの業況見通しはパンデミック直後の2020年5月以来で最悪の水準となった。
この調査はテキサス州の製造業87社の集計で、母集団は大きくはないが、企業経営者からは、高関税で今後のビジネスに悪影響与えるとの回答が60%近くに登ったことやサプライチェーンの混乱と今後の予測の難しさが指摘されていることは、要注意であろう。
今週は、重要な経済指標の発表が控えている。4月30日に3月個人消費支出(PCE)価格指数や第1四半期国内総生産(GDP)速報値、5月1日に4月ISM製造業景況指数、2日には4月雇用統計と重要指標が発表される。特に、PCEはインフレ指標の中でも重要視されるもので、インフレ圧力の後退が確認されれば、FRBにより利下げ期待が高まり、金融市場には安心材料となる可能性がある。