
非農業部門雇用者数 前月比15.1万人増
2月米国雇用統計
米国労働省は3月7日に2月の雇用統計を発表した。
- 非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)前月比15.1万人増
- 前月は12.5万人増で速報値14.3万人増から下方修正
- 家計調査に基づく失業率は4.1%に上昇
- 前月4.0%
今回の雇用統計は雇用市場が堅調ながらも、一部軟化しているといえるだろう。雇用者数の伸びは2024年平均の16.6万人からは下方乖離した。恒久的に職を失った失業者が増え、連邦政府の雇用も減少した。フルタイムでの雇用を望みながらパートタイム職に就いている労働者の数も急増した。DOGEの活動の進展によっては、今後数ヶ月の間に、その影響が顕在化する可能性もある。複数の職に就いている労働者は890万人近くに膨らみ、こちらも過去最高を記録した。
トランプ大統領の政策がどのように展開されるのかが見極められず、広範な経済への懸念が選考して広がり、雇用市場にも影響が出始めている。一方で、昨年後半以来、インフレは高止まりしてインフレ圧力は改善せず、消費者は支出を控える傾向にある。消費者信頼感指数も低下トレンドにある。
トランプ2.0で、関税引き上げが実施され、歳出削減の流れで政府支出も減少するとの見方から、雇用創出が阻まれ、失業率をさらに押し上げるシナリオも懸念される。
米FRBは利下げを再開するには、3月11日週に発表される消費者物価指数をはじめとするインフレ指標で、インフレ圧力が緩和する方向に向いているかどうかを確認する必要があると示唆している。ただ、それはすぐには難しいのではないか。