大手不動産開発業者の資金繰りを支援へ
一部報道によると、中国政府は、主要不動産開発会社約50社を対象に、資金調達を支援する方針を打ち出す模様である。不動産開発業者は、資金繰り難に直面しており、一部ではデフォルトも発生している。不動産開発業者の破綻は、不動産市況の悪化に繋がり、中国経済の成長力を削いでいる。主要不動産開発業者に、資金繰り支援を行うことで、不動産市況の悪化を防止する腹づもりとのことである。
数日中には、支援対象とする開発業者50社をリストアップするようだが、碧桂園や遠洋集団、旭輝もふくまれるという。具体的な、資金繰り支援の内容や範囲、債権者や株主への影響は現時点では不明である。
下げ止まらない住宅価格
中国国家統計局が11月16日に発表した10月の主要70都市の新築住宅価格は、前月比0.38%下落となり、2015年2月以来で最大下げ幅を記録した。9月は前月比0.30%の低下だった。10月の中古住宅価格も、前月比0.58%下落と、2014年10月以来の大幅な下げ率を記録した。
新型コロナ感染抑制のための行動規制が解除された後、今年第1四半期には一時、住宅市場の回復が見られたが、不動産市場の先行き不透明感と収入の伸び悩みから、購入を控える動きが見られる。住宅価格の大幅下落は不動産不況が現在進行形であることを示している。住宅価格の下落は、住宅への潜在需要者が購入をためらい、センチメントを悪化させている。8月以降、中国政府は追加景気対策を発動したが、中国経済の成長の足を引っ張っている不動産市況の改善には繋がっていない。今回の支援が確認されれば、ダイレクトに不動産開発業者を救済するもので、中国政府が不動産市場の下支えに、さらに一歩、踏み込んできたことになる。