10月ユーロ圏経済は一段の落ち込みか
10月23日、S&Pグローバル社が発表した10月のユーロ圏総合購買担当者景気指数(PMI)は、速報値で46.5と前月9月の47.2から低下した。これは、2020年11月依頼の低い水準で、ユーロ圏域内全体で、広範に需要が減少していることを意味する。ユーロ圏経済の状況は悪化の一途をたどっており、これで2四半期連続でマイナス成長となり、ユーロ圏経済がリセッションに陥った可能性があることを示唆している。
10月の活動の大部分は受注残の処理によるもので、企業が目先の好転を予想していないことが示された。総合雇用指数は50.8から49.4へ低下し、全体の従業員数は21年1月以来初めて減少した。
サービス業のPMIは47.8で9月の48.7から低下した。こちらも32カ月ぶりの低水準である。サービス需要は減少が続き、新規事業指数は45. 5まで低下した。前月は46.4だった。サービス業における雇用は、伸びが止まっている。
製造業のPMIは43.0とパンデミックが発生した2020年5月以来の低水準となった。これで、好不況の分かれ目となる50を16カ月連続で下回ったことになる。生産指数も43.1と良くない状況が続いている。製造業では、人員削減が続いているが、それだけではなく人員の削減計画を強化する動きも出ており、雇用に深刻な影響が出ることが懸念される。また、製造業では今後12カ月の先行き見通しに対しても、楽観的な見方が後退した。12ヶ月後の生産指数は51.6から50.3に低下して、今年最低を記録した。
10月のドイツPMIも低下
同じく、S&Pグローバル社が発表した10月のドイツ総合購買担当者景気指数(PMI)は、速報値で45.8と前月9月の46.4から低下した。好不況の分かれ目となる50を4カ月連続で下回ったことになる。厳しい数字といえ、第4四半期には、景気後退が進行する可能性がある。
サービス業PMIは9月の50.3から48.0に低下した。こちらも、事前の予想を大きく下回る下落で、賃金やインフレに関連した費用の上昇が負の影響を及ぼした他、新規ビジネスも大幅に落ち込んだ。
製造業PMIは40.7で、9月の39.6から小幅ながら上昇した。4カ月連続で上昇したことになる。ただし、水準自体は低いままであることは事実である。