香港・中国市場Dairy ~ ハンセン指数は7日ぶり反発、中国PMI統計を受けて景気回復期待が復活
ハンセン指数 20,619.71 pt (+4.21%)
中国本土株指数 6,914.30 pt (+5.06%)
レッドチップ指数 3,997.13 pt (+3.63%)
売買代金1,539億2百万HK$(前日1,424億7百万HK$)
昨年末に中国政府がゼロコロナ政策を転換し、期待先行から買い上げられた香港株式市場は具体策のない失望感から2月は月間で10%を超える下落幅を記録した。しかし、1日朝に発表された中国の経済指標を受けて、再び期待感が高まった。
中国国家統計局が発表した国有企業を対象とする購買担当者景気指数(PMI)は製造業、非製造業ともにそろって大幅な改善がみられた。2月の製造業PMIは52.6と景況感の節目となる「50」を上回り2012年4月以来、約10年ぶりの高水準を記録した。1月の春節明けの工場の稼働が再開したことで生産や新規受注、消費者需要が回復したことが寄与した。また、新規感染者が落ち着いたことも景況感の支えになったとみられる。
中小企業を対象とする財新製造業PMIについても7ヵ月ぶりに「50」を上回り、昨年6月以来の高水準を回復した。建設業とサービス業を対象とする非製造業PMIは56.3と21年3月以来の水準まで回復した。先月に発表された中国の物価統計でも需要の回復が示唆されており、足元の中国経済が景気回復への道筋を徐々に辿っていることを再確認する形となった。
今月5日には北京で全国人民代表大会が開幕し、今年の経済成長目標が示される。今年の中国のGDP目標率は事前の予想でも「5.0%」を上回る目標を示す見通しであり、全人代を前に習近平国家主席は1日のスピーチでも国家目標達成のために支援を強化することを改めて主張した。
昨年の年間成長率は3.0%と目標で掲げた「5.5%」を大幅に下回った。中国経済を成長軌道に戻し、信頼を回復と金融リスクの増大を回避するためにも、目標達成に向けた取り組みに注目が集まるだろう。
ハンセン指数は7日ぶりの大幅反発
1日の株式市場は中国経済の先行き見通しについて楽観的な見方が強まり、ハンセン指数は7日ぶりの大幅反発と1銘柄を除いて構成銘柄は全面高で引けた。同指数は終日を通して上げ幅を拡大し、サポートラインとなる20,000ポイントを回復する展開となった。
IT・テック銘柄が全面高となりハイテク株で構成されるハンセンテック指数は前日比6.64%高と構成30銘柄が反発した。ソフトウエア開発の明源雲集団(0909)は12.7%高、新興自動車メーカーのNIO(9866)は11.0%高、クラウドサービスの金蝶国際集団(0268)は10.7%高、電気自動車メーカーの小鵬汽車(9868)は9.6%高と大幅反発となった。
中国政府による更なる不動産支援の期待から不動産株で構成されるハンセン不動産指数は同5.54%高となった。不動産開発の龍湖集団(0960)は9.6%高、不動産サービスの碧桂園服務(6098)は8.9%高、碧桂園(2007)は8.3%高となった。
主要銘柄も全面高となり、オンラインゲームの網易(9999)は8.4%高、保険大手の中国平安保険(2318)は7.9%高、インターネット検索の百度(9888)は7.6%高、テンセント(0700)は7.3%高、Eコマース大手のアリババ(9988)は6.2%高となった。
中国本土株市場は上海総合指数は前日比1.00%高の3,312.35と続伸、CSI300は同1.41%高の4,126.94で引けた。