香港・中国市場Dairy ~ 新規材料に乏しく、閑散な中、軟調な展開。
ハンセン指数20,529.49 pt (▲1.71%)
中国本土株指数 6,925.07 pt (▲1.97%)
レッドチップ指数 4,040.85 pt (+0.41%)
売買代金1,111億8百万HK$(前日1,120億6百万HK$)
香港株式市場では米国市場が休場の上、米金融当局の発言を今週に控えて、新たにリスクを取りにくい局面が続いている。前日も指摘したが、金融市場は米金融当局者が大幅利上げなどタカ派の発言を繰り返すのではないかとの懸念が広がっている。米国経済の先行きの手がかりとなる経済指標の発表は続き、24日にはFRBがインフレの指標として注目しているPCEデフレーターに特に関心が集まっている。FRBの金融引き締め長期化見通しは、強まってきており、マーケットにとっては動きづらい展開となっている。
中国市場でも、3月5日開幕の全国人民代表大会を前に、経済成長路線への回帰策を探る動きが続いている。21日に開催された党中央政治局会議では、新型コロナウイルス禍からの景気回復について抜本的に対策を練り直し、積極的な財政政策と穏健な金融政策を実施することが説明された。ただ、昨年開催された中央経済工作会議の声明でも、消費刺激を優先し、民間企業の支援を強化する方針を示すなど、民間需要と投資を拡大することを最優先に掲げていた。その実現に向けた動きが見えない中、金融市場の期待は剥落し始めている。
先月、発表された中国の2022年通年でのGDP成長率は前年比3.0%増加に留まった。新型コロナウイルス禍中だった2020年を除けば、文化大革命により経済が疲弊した1976年以来、約50年ぶりの低水準である。中国政府が、昨年3月に設定した目標値の「年率5.5%前後」を大幅に下回ったほか、昨年12月まで各地で厳しい行動制限が採られた影響で、消費は大きく落ち込んだままである。
全人代に先立つ2月26-28日には、第20期中央委員会が開催される。2023年の経済目標達成をどう設定するか、手がかりとなるか市場は注目している。成長率5%前後を目標とするとの憶測は高まっているが、果たしてどうなるだろうか?
21日の香港市場は、新規材料に乏しく、ハンセン指数は終日下げ続け、前日比1.71%安の水準まで下げた。ハイテク株で構成されるハンセンテック指数は前日比3.56%安と大幅反落した。ITネット株が総じて安く、Eコマースの京東集団(9618)は8.5%安、動画投稿アプリの快手(1024)は6.3%安、高性能データセンター開発の万国数拠(9698)は5.3%安、ソフトウエア開発の明源雲集団(0909)は5.2%安と下げた。
主要銘柄も昨日の買いから反落し、インターネット検索の百度(9888)は4.8%安、アリババ(9988)は4.2%安、インターネットサービスのテンセント(0700)は4.0%安だった。
一方で、中国本土株市場では、上海総合指数は前日比0.49%高の3,306.52と続伸、CSI300は同0.26%高の4,144.35で引けた。