香港・中国市場Dairy ~ ハンセン指数は5日ぶり自律反発。テック系銘柄の買い戻しが目立つ
ハンセン指数 20,987.67 pt (+0.84%)
中国本土株指数 7,089.95 pt (+1.05%)
レッドチップ指数 3,968.58 pt (+0.53%)
売買代金1,229億0百万HK$(前日1,123億1百万HK$)
15日に発表された米国の小売売上高(1月)は、前月比3.0%増加と2021年3月以来、約2年ぶりの高水準を記録した。ガソリンと自動車を除いたベースでは同2.6%増だった。
昨年12月は同1.1%減と年末商戦にも関わらず、先行きを懸念させるデータだったが、年初に持ち直したことを示唆するデータだった。今年の米国の経済見通しについては厳しい見方が多かったが、少なくとも1月の出だしは堅調だったと言える。金利上昇により借り入れコストが上昇し、物価も高い水準で上がっているにもかかわらず、歴史的な低水準にある失業率が示すように雇用市場は引き締まり、賃金も伸びていることに支えられて、消費支出が継続している様にうかがえる。
これまでは堅調な経済指標が発表されるたびにインフレ高進懸念が強まっていたが、米国のGDPの約7割近くを占める個人消費の堅調な需要が再確認されたことは景気後退のやわらぎ、強いては株式市場にとってはポジティブに働いたものとみられる。
一方、今回の結果は根強いインフレと闘う米金融当局にとっては利上げを正当化する材料になりうると言えるだろう。
利上げの効果は時間差を伴って発揮される。住居やITセクターなどは、金利に敏感で、売上や企業収益に相対的に早く影響が出る。しかし、こうした影響が米国経済全体には広がっていないという現実を、今週発表された1月の米消費者物価指数CPIと小売売上高は示した。ディスインフレのプロセスが失速し、景気軟化の兆候が限られる中、今回の力強いデータは米金融当局が金利を高水準でより長期にわたって維持する必要があることをサポートする。政策金利のピーク水準は高くなるリスクが強まりつつあると指摘は、あながち単なる警告と受け止めるだけでは足りないだろう。
ハンセン指数は5日ぶりに反発
16日の香港市場では小高く寄り付いた後、終日、堅調な動きを続けた。目立った新規の材料はなかったが、ハンセン指数は、前日まで4日続落し約1カ月ぶりの安値水準だったこともあり、自律反発から買い優勢の相場となった。
ハイテク株で構成されるハンセンテック指数が、前日比1.83%高となったように、テック銘柄に買いが先行したことも相場を支えた。同指数は一時4%超まで上昇するなど、他指数をアウトパフォームした。PC大手のレノボ(0992)は6.7%高、動画配信のビリビリ(9626)は6.0%高、オンライン医療の京東健康(6618)は5.8%高だった。
これに連れて主要銘柄も堅調な動きとなり、Eコマースの京東集団(9618)は5.2%高、オンラインゲームの網易(9999)は2.3%高、携帯電話キャリアの中国移動(0941)は2.0%高、フードデリバリーの美団(3690)は1.6%高、インターネットサービスのテンセント(0700)は1.5%高だった。
一方、半導体関連株がアンダーパフォームした。昨年10月の米国による先端半導体製造設備の対中輸出規制で、中国半導体の工場建設がストップとの報道など先行き不透明感が同セクターの重石となった。半導体チップの上海復旦微電子集団(1385)は5.2%安、半導体ファウンドリーの華虹半導体(1347)は4.1%安、半導体製造のSMIC(0981)は1.5%安と下げた。
中国本土株市場は上海総合指数は前日比0.96%安の3,249.03、CSI300は同0.73%安の4,093.49で引けた。香港市場同様に半導体関連が相場の重石となり続落、新規材料に乏しい中、買いは限定的となった。