香港・中国市場Dairy ~米消費者物価指数を受けてドル金利が上昇。株価は圧迫され重い展開続く。ハンセン指数は4日続落
ハンセン指数 20,812.17 pt (▲1.43%)
中国本土株指数 7,018.14 pt (▲1.30%)
レッドチップ指数 3,947.77 pt (▲1.46%)
売買代金1,123億1百万HK$(前日976億7百万HK$)
市場が注目していた米国の消費者物価指数(1月)が14日発表された。物価の高止まりが改めて示されたことから、米FRBが年内に利下げ姿勢に転換することへの期待は急速に萎み、米国債券相場では利回りが全般に上昇し、株価への圧迫要因となった。
米労働省が発表したCPIは前年同月比での伸びが6.4%増と昨年12月(6.5%)からは小幅低下し、21年10月以降では最も小幅な伸びとなったが、前月比では0.5%上昇と12月の前月比と事前予想のいずれも上回った。変動の大きい食品・エネルギーを除くコア指数でも前年同月比5.7%、前月比では0.4%と高止まりを示唆する内容となり、依然として物価は高い水準で上昇していることが示された。特に住居費など一部の項目では価格上昇圧力が目立ってきており、インフレが高止まりしている状況が浮き彫りとなった。2月FOMC以降も、米FRB高官の発言に耳を傾けてこなかった債券市場だが、聞く耳を持たざるをえない。そして、FRB当局は、雇用市場が堅調である限り、インフレ圧力として警戒する姿勢を緩めないであろう。
債券市場では政策金利に敏感な米国2年債利回りが4.6%台を付け、昨年11月以来16年ぶりの高値である4.74%に迫る勢いで上昇した。一方で、長期債利回りは上昇の幅が限定されたため10年米国債利回りと2年米国債利回りの逆イールド幅は▲0.87%へと再び拡大し、1980年以来で最大を記録した。
FF金利誘導目標は年後半での相場観は大きく変化した。また、最終的なターミナルレートの引き上げも辞さない構えである。市場ではFRB当局が3月と5月に0.25%の引き上げを実施、さらにはピークとして織り込まれていた水準を超える利上げを6月にも実施する可能性すら高まっている。マーケットは今回の想定外の強さを示したCPIのデータからも、インフレとの戦いは長期戦を想定しなけらればならず、楽観的すぎる金利低下シナリオは崩れたと考えられる。
ハンセン指数は4日続落
15日の香港市場は前日の米国市場でのインフレ高進による不透明な環境からハンセン指数は終日マイナス圏で推移し、前日比1.43%安と4日続落した。中国・香港市場では景気持ち直しの期待も高いが、材料出尽くし感も否めず売り優勢の相場が続く。
ハンセン構成銘柄では4銘柄を除いて72銘柄が下落と軟調の動きとなり、本土不動産株が下げを牽引した。不動産サービスの碧桂園服務(6098)は5.7%安、不動産開発の碧桂園(2007)は5.6%安、中国海外発展(0688)は4.6%安、不動産管理会社の華潤万象生活 (1209)は3.6%安と反落した。
ヘルスケア関連株も下落し、オンライン医療の京東健康(6618)は4.6%安、平安健康(1833)は4.3%安、阿里健康(0241)は2.4%安だった。
主要銘柄も乏しい動きとなり、保険大手の中国平安保険(2318)は2.7%安、AIA(1299)は2.5%安、Eコマースのアリババ(9988)は1.4%安、フードデリバリーの美団(3690)は1.2%安、香港取所(0388)は1.3%安、HSBC(0005)は1.1%安だった。
中国本土株市場は上海総合指数は前日比0.39%安の3,280.49、CSI300は0.52%安の4,123.69だった。