香港・中国市場Dairy ~ ハンセン指数は4日ぶりに小反発。パウエル議長の議会証言を控え、様子見気分が広がる
ハンセン指数 21,298.70 pt (+0.36%)
中国本土株指数7,232.25 pt (+0.60%)
レッドチップ指数 3,906.08 pt (+0.40%)
売買代金1,037億8百万HK$(前日1,360億2百万HK$)
1ドル=132円台と約1ヵ月ぶりのドル高値水準
年初からリスクテイクのセンチメントが大きく改善してきた株式市場だったが、力強い1月の米雇用統計を受けて、金利の早期低下シナリオが崩れかけ、楽観的な見方が後退している。
6日にはボスティック・アトランタ連銀総裁が「金融当局が政策金利のピークを従来予測よりも高めに引き上げる必要が生じる可能性が強まった」と述べた。
7日にはパウエル議長の議会証言を控えており、先週の発言から一変することはないと想定されるも、金融市場には警戒感が広がっている。インフレ高進に歯止めをかけることを最優先に考えるFRBにとって、今回の雇用統計は、更なる金融引き締めを辞さないとの姿勢を支援する形となった。
為替市場では再びドル高に転じ、ドル円は1ドル=132円台と約1ヵ月ぶりのドル高値水準を付けた。ユーロドルも1ユーロ=1.07ドルを割り込んでドル高となった。
今年4月に任期満了を迎える黒田日銀総裁の後任人事を巡り雨宮副総裁の就任を打診したことが伝わったことで、現状の緩和政策を受け継ぐとの見方が強まったことも円安につながった。
岸田首相は2月中にも具体的な名前を国会に伝えると発言しており、早ければ今週10日に人事案が発表されるとの憶測が広がっている。日銀が12月に実施した「長期金利の変動幅拡大」は市場を驚かせたが、1月は「共通担保資金供給オペ拡大」にとどまり、金融政策の軌道修正とは言えなかった。
次期日銀総裁については、岸田政権の意向が当然に反映される。故安倍元総理を後ろ盾に異次元の金融緩和を進め、そしてYCCという副作用のある手段まで導入した黒田総裁が任期満了を迎えることは、金融政策を変更するには良いタイミングとなる。
果たして、金融緩和の出口戦略に舵を切るか、これまでと同様に緩和策を続けるのか、市場は固唾をのんで見守っている。「ハト派」と見做されている雨宮氏が新総裁となれば、黒田路線の踏襲の可能性が高いと市場では受け止められるだろう。世界の中央銀行が金融引き締めに動く中、日本銀行の金融政策からは目が離せない。
香港ハンセン指数は4日ぶりに反発
7日のハンセン指数は4日ぶりに反発。自律反発の買いが先行する形となったが午後には失速し、上値は限定的となった。同指数は前日比0.36%高と小幅に留まった。
個別ではインターネット検索の百度(9888)が前日比15.3%の大幅高となった。先週末、報道されたAI技術を使った自動応答システムサービスの提供について、新サービスの名称を「ERNIE Bot(文心一言)」に決定、内部試験を3月に完了する予定と発表した。 先行して類似サービスを提供する米オープンAIのチャットボット「ChatGPT」が急成長していることも後押しし、ユーザーが対話して検索することができる新たなサービスに期待が高まった格好となった。
連日大幅安となった不動産株も買い戻され、不動産開発の碧桂園(2007)は2.2%高、龍湖集団(0960)は1.4%高、恒隆地産(0101)は1.3%高、不動産管理会社の華潤万象生活 (1209)は0.6%高だった。
ハイテク株で構成されるハンセンテック指数は1.15%高とアウトパフォーム。オンライン予約のトリップドットコム(9961)は3.1%高、白物家電の海爾智家 (6690)は2.0%高、自動車メーカーの理想汽車(2015)は1.6%高、Eコマースのアリババ(9988)は1.6%高だった。
中国本土株市場は上海総合指数は前日比0.29%高の3,248.09と3日ぶりの反発、CSI300は0.18%高の4,094.23で引けた。