香港・中国市場Dairy ~ 主要中銀が利上げ実施。ハンセン指数は続落
ハンセン指数 21,660.47 pt (▲1.36%)
中国本土株指数7,387.02 pt (▲1.58%)
レッドチップ指数 3,944.84 pt (▲1.30%)
売買代金1,299億6百万HK$(前日1,400億5百万HK$)
英国、欧州がそろって政策金利を引き上げ
米国の政策金利の引き上げに続いて2日、英イングランド銀行(BOE)と欧州中央銀行(ECB)は、それぞれ政策金利を0.5%幅引き上げた。英中銀は21年12月から10会合連続で利上げを実施したが、英中銀総裁は「足元のインフレ率はピークに達した可能性が高いが、物価高騰の圧力は続いている」と説明した。
1月の英国消費者物価指数(CPI)は前年比10.1%と高水準にあるが、昨年央の高い伸びからは縮小傾向にあり、今後のインフレ率低下が期待できる。米国と同様にインフレとの戦いに進展がみられ、利上げも残り数回と市場では受け取った。
昨年7月に11年ぶりの利上げに踏み切った欧州中央銀行(ECB)も5会合連続で政策金利引き上げを実施した。しかも、引き続き大幅な利上げを実施する姿勢を維持しており、主要銀とは対照的にラガルド総裁は、3月の政策会合でも同様に0.5%幅の利上げを示唆した。ただ政策金利の引き上げ度合いは主要銀と比較して出遅れている感もある。
3日の債券市場では債券価格が総じて上昇し、利回り曲線は全体として低下した。欧州圏ではイタリア10年債利回りは約40bps低下し20年3月以来の大幅低下となった。
少なからずマーケットはインフレとの戦いが長い道のりであるという慎重な姿勢を示す中銀総裁のメッセージを無視した結果となったが、引き締めサイクルに終わりが見えてきたことは少し楽観視が強いように感じる。
香港ハンセン指数は続落
3日、財新が発表した中国サービス部門購買担当者景気指数(PMI)は52.9と前月(48.0)から大幅に改善し、5ヵ月ぶりに好不況を判断する節目の「50」を上回った。調査対象企業の1年後の景況感見通しを示す信頼感指数は2011年2月以来の高水準を付けるなど、中国経済の回復ペースは徐々に前向きな方向に進んできたものとみられる。
今週、発表された大企業や国有企業を対象とする製造業、非製造業PMIはそろって大幅な改善がみられたことや、中小企業のウエイトの大きい財新PMIでも製造業は伸び悩んだがサービス業については強気な見方が示された。
厳格な新型コロナウイルス規制を解除をしたことで生産活動の正常化、そして消費の回復が一層加速されることが期待される結果となった。
3日の香港市場は景気回復の地合い改善への期待が高まる一方、ハンセン指数は前日比1.36%安と続落した。香港政府は3日、中国本土と香港の往来を6日から全面的に再開すると発表したほか、ワクチン未接種者に対する入境禁止措置も解除することを明らかにした。ただ内容としては新規買い材料には乏しく反応は限定的となった。
不動産株で構成されるハンセン不動産指数は連日で大幅安となり前日比2.86%安と続落。不動産サービスの碧桂園服務(6098)は7.3%安、不動産開発の碧桂園(2007)は3.8%安、龍湖集団(0960)は2.7%安と下げた。
ハイテク株で構成されるハンセンテック指数は1.33%安と反落。自動車関連株が軟調となり、自動車メーカーの理想汽車(2015)は4.0%安、電気自動車メーカーの小鵬汽車(9868)は2.2%安、新興EVメーカーのNIO(9866)は1.4%安と下げた。
主要銘柄も総じて軟調となり、インターネット検索の百度(9888)は4,4%安、保険大手の中国平安保険(2318)は4.1%安、大手銀行のHSBC(0005)は3.0%安、自動車メーカーの比亜迪(1211)は2.7%安、Eコマースのアリババ(9988)は2.7%安だった。
中国本土株市場は上海総合指数は前日比0.68%安の3,263.41と3日ぶりの反落、CSI300は同0.95%安の4,141.63だった。