ハンセン指数は3日ぶりに反発。財新PMIは芳しくなかったが、消費回復への期待感から自動車株が躍進

香港・中国市場Dairy ~ ハンセン指数は3日ぶりに反発。財新PMIは芳しくなかったが、消費回復への期待感から自動車株が躍進

ハンセン指数22,072.18 pt (+1.05%)
中国本土株指数 7,560.40 pt (+1.82%)
レッドチップ指数  4,033.79 pt (+1.38%)

売買代金1,555億7百万HK$(前日1,738億2百万HK$)

ハンセン指数

米国労働省が31日に発表した昨年第4四半期の雇用コスト指数では、伸び率が前期から鈍化し1年ぶりの低水準となった。FRBが政策を決定する上で注目する指数のひとつであり、市場にとっては、FRBが金融引き締め姿勢を緩和するのではないかという期待に沿うものだった。

経済指標は経済にブレーキがかかっていることを示すものが増えていることや、インフレ高進がピークアウトしたことを示している。FRBもさすがに、昨年上げ続けた金利の効果を見極めるスタンスに変化すると予想され、利上げ幅は前回会合で決定した0.5%から0.25%に縮小する公算が高い。

年初から堅調な展開が続く米国株式市場では、景気敏感株で構成されるナスダック100は月間で10%強上昇し、1月としては過去20年で最高のパフォーマンスを記録した。

米国の連邦準備制度理事会(FRB)は31日と本日の2日間、連邦公開市場委員会(FOMC)を開催している。利上げ幅0.25%の実施は織り込んでおり、それ自体には驚きはないだろう。注目は、FRB高官がFOMCでどのようなことを話し合うのか、金融政策のインフレ抑制への影響をどう見ているのかであろう。

2月のFOMCを前にFRB高官のブラックアウト期間前では景気抑制的な金融政策を支持するタカ派的な発言が目立っていた。

本コラムでも指摘しているとおり、マーケットと米金融当局の間には、シナリオにギャップが生じており、その点が不安視されるところである。引き続き、最終的な政策金利の最高到達地点(ターミナルレート)はどこまで上昇するのか、その後、どれほどの期間、金利が高止まりするかを見極めていかなければならない。

市場の見通しは今年の6月までに政策金利がピークを付け、年後半からは低下し始めることを織り込んでいる。FRBはタカ派姿勢を変えず、ツンデレな態度を示すと予想する。

ハンセン指数は3日ぶりに反発

1日、財新が発表した1月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.2と前月(49.0)から小幅に改善した。ただ、好不況を判断する節目の「50」を6ヶ月連続で下回った。

前日に発表された大企業や国有企業を対象とする製造業、非製造業PMIはそろって大幅な改善がみられたものの、中小企業のウエイトの大きい財新PMIは、改善度合いが小さかった。企業規模によって、景況感の回復に相違がみられる。厳格な新型コロナウイルス規制を解除をしたことで生産活動の正常化が進んでいるが、中小企業にまで波及するには、時間を要するものとみられる。

一方、調査対象企業の1年後の景況感見通しは引き続き回復しており、期待感指数は20ヶ月ぶりの高水準となった。中国経済の回復ペースは徐々に前向きな方向に進んできたものとみられる。

1日、財新が発表した1月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.2と前月(49.0)から小幅に改善した。ただ、好不況を判断する節目の「50」を6ヶ月連続で下回った。

前日に発表された大企業や国有企業を対象とする製造業、非製造業PMIはそろって大幅な改善がみられたものの、中小企業のウエイトの大きい財新PMIは、改善度合いが小さかった。企業規模によって、景況感の回復に相違がみられる。厳格な新型コロナウイルス規制を解除をしたことで生産活動の正常化が進んでいるが、中小企業にまで波及するには、時間を要するものとみられる。一方、調査対象企業の1年後の景況感見通しは引き続き回復しており、期待感指数は20ヶ月ぶりの高水準となった。中国経済の回復ペースは徐々に前向きな方向に進んできたものとみられる。

中国財新 製造業購買担当者景気指数

1日の香港市場は朝方、PMIの発表を受けてマイナス圏に沈む場面もみられたが、その後は切り返し、ハンセン指数は前日比1.05%高と3日ぶりに反発した。同指数は再びサポートラインとなる22,000ポイントを回復した。

ハイテク株で構成されるハンセンテック指数が全面高となり、構成30銘柄は上昇した。自動車関連株が総じて堅調となり、電気自動車メーカーの小鵬汽車(9868)は10.3%高、理想汽車(2015)は9.4%高、新興EVメーカーのNIO(9866)は6.3%高、自動車部品メーカーの比亜迪(1211)は6.1%高だった。

ハンセン指数の構成銘柄ではインターネット検索大手の百度(9888)が大幅高となり前日比9.0%高となった。米国のAIを使った自動応答システム「ChatGPT」に類似したサービスの提供との報道が伝わり、いずれ言語生成AIが検索サービスに置き換わるとの期待が材料視された。

主要銘柄も買い戻され、スマートフォンの小米集団(1810)は4.5%高、大手カジノの銀河娯楽(0027)は3.7%高、フードデリバリーの美団(3690)は3.2%高、Eコマースのアリババ(9988)は2.2%高だった。

中国本土株市場は上海総合指数は前日比0.90%高の3,284.92、CSI300は同0.94%高の4,195.93で引けた。

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